やまぐちの歩き方

山口市は面積広大

全国の都道府県あるあるですが、県庁所在地・山口市も、市町村合併の結果、周辺地域を飲み込んで非常に広大な面積を誇る市町村となりました。そのため、一口に「山口市内観光をしたいです」と言った場合、その範囲は膨大となります。わずかに一日か二日の滞在で隅々回るのは、とてもじゃないですが、「無理です」。

恐らく、世間一般に「山口市内観光」と言った場合、山口大神宮や瑠璃光寺五重塔、大内氏館跡などの観光だけを指していることがほとんどだと思われます。これだけでも、魅力的な観光資源が三つも含まれていますので、必要にして十分ではあります。時間的にも一日あれば足ります。でも、何となく、とても勿体ない気がします。

ここでは、「山口市内一周」と言った場合、どのくらい広いのか、時間はどのくらいかかるのか、といった問題について考えてみたいと思います。何かのお役に立てば幸いです。

参考・山口市略地図

山口市地図

※フリーの地図素材と山口市の文化財パンフレットの地図をお借りして作成しました。二種類の異なる地図を組み合わせて編集しているため、ちょいズレていたりします。あくまで「だいたいの位置」を確認するためのものとお考えくださいませ。

一日でどのくらい回れるの?

山口市はとても広いため、端から端まで相当の距離がございます。ゆえに、同じ市内なのでと気楽に考えていると、まったく回りきれません。毎回、「今回の範囲」を定めてまとめて回るようにするのが効率的です。

例えば、阿東と阿知須の観光資源を同じ日に……とか、とても無理がありますよね。また、最強の公共交通手段である電車と路線バスとが、場所によってはとても本数が少ないです。最寄り駅から徒歩圏の観光資源を組み合わせ、さらに両隣の地区もまとめたゆえに、一日で大丈夫であろう、という安易な考えは見事に裏切られます。時間はたっぷりあっても電車が一時間に一本だったりするのです。さすがに電車の一駅間を徒歩で行くとなると時間も疲労も半端ないですので、わずか数カ所で一日が終わってしまうことも普通にあります。

さらにメンドーであろうことは、多くの方が観光のメインとするであろう五重塔や山口大神宮のある「山口駅」は、飛行機で到着する山口宇部空港からとても遠い上、新幹線利用で到着する「新山口駅」とも離れています。ついでにとなりの防府やちょっと足を伸ばして周南や下松まで……と考えると、いったん「新山口」まで出てから乗り換えとなりますので、それも途方もなくたいへんです。旅行会社がことさらに勧めてくる「湯田温泉」にある宿泊施設を拠点としたところで、山口駅の隣の「湯田温泉駅」になるだけですので、事情はまったく同じとなります。

岩国に至ってはもはや日帰りは困難と感じます。ほとんど広島文化圏と錯覚するくらいで、飛行機で宮島へって人が、岩国空港を勧められたりします。ついでに、交通系 IC を使っていると気付きにくいですが、これだけ遠いとたとえ公共交通機関であっても、交通費もそれなりとなります。

なお、萩・津和野(津和野は島根県です!)を組み込むと旅程はさらにタイトになってしまい、山口の魅力は分らずじまいとなります。このサイトでは萩には行きませんが、世界遺産にもなっている美しい町並みを堪能したい方々は絶対に行くべき観光地ですので、山口県だけで最低でも一週間は必要です。それは岩国や周南、下松、防府などを組み込む場合でも同様です。関東以東の方が萩に行くのでしたら、山口市とは分けて、飛行機で萩津和野空港へ向かい、島根県も一緒に回ることを強くオススメします。むろん、つぎ(どっちを先にしてもいいですが)の訪問では山口市内にも必ず行ってください。

もちろん、いちどきに萩津和野と瑠璃光寺五重塔も可能ではあるのですが、単に「山口行ってきました」としかならないはずなので、量より質を求める旅行者の方には物足りないものとなってしまうと思われます。質より量、とにかく日本中のイイトコロを大量に見て回りたい方はそれでいいですが。量より質の方は生涯を中国地方に捧げる覚悟で頑張りましょう(かくいう執筆者も鳥取県には行ったことがなく、岡山県は通過したことしかないです。そのくらい時間が足りません)。

これら諸々の事情を考慮して、とりあえず山口市内の観光資源を大量消費したい、と思うとき、頼りになるのはタクシーです。それでも、スタンプラリーみたいにタイトにはなりますが。車利用ならば、電車やバスの待ち時間を無視できるので、自由自在に動けます。徳地と小郡、秋穂も同じ日に行けました。けれども毎回これを繰り返しているとやがては破産しますから、なんとも悩ましいです。なんでもクレジットカードの人は特に要注意です。

山口の観光資源・地理的分類

山口市の東西南北
  • 北部・東部 宮野、御堀、仁保 ⇒ 常栄寺、清水寺(宮野)、乗福寺、興隆寺(大内御堀)、源久寺(仁保)
  • 大殿周辺 ⇒ 古熊神社(古熊)、龍福寺(大殿大路)、築山跡、八坂神社、築山神社(上竪小路)、今八幡宮(八幡馬場)、雲谷庵(上宇野令)、瑠璃光寺(香山町)、洞春寺(水の上)
  • 鴻の峰 ⇒ サビエル記念公園(亀山町)、藩庁跡、山口大神宮(滝町)、普門寺(白石)、高嶺城跡(上宇野令)
  • 西部 ⇒ 龍蔵寺、凌雲寺跡(吉敷)
  • 南部 ⇒ 陶陶窯跡(陶)、周防鋳銭司跡(四辻)、正八幡宮(秋穂)

参照:『山口県の歴史散歩』

ミル

なんで東部と北部はまとめられてるのかとか、同じ上宇野令で、雲谷庵と高嶺別の分け方とか、ミルたちの感覚とはちょい違うの。そも、雲谷庵は天花って認識だった。でも、有名なご本の分け方は信頼に値すると思うの。

出来る限り歩きましょう。タクシーは最後の手段です

どうでしょう? とりあえず、市内にフォーカスして、防府や徳山、岩国については考慮しないとしても、かなりハードになることは想像に難くないと思われます。いったい、どうすればいいのだろう? と絶望的になりますね。最も効率がよろしい「タクシー貸切り」は、経済的負担がとてもたいへんです。最後の手段として回りきれない場所に使うものと決め、歩けるところは歩くことがメインとなります。

歩くことをオススメするには、他にも理由があります。歩かないと「町の雰囲気」は味わえないからです。初回の訪問で、今から思うと信じられないあれこれの場所をすべてタクシー貸切りにしていただきました。帰宅後、「山口ってよくわからない場所だったなぁ」という極めて無礼な感想が残りました。なぜこんなことになってしまったのか、つらつらと考えるに、やはり、「歩かなかった」ことがいけなかったということは、二回目の訪問ですぐにわかりました。ですので、歩けるところは、極力「歩く」ことがオススメなのです。

もちろん、公共交通機関を使うことは問題ありません。でもこれが、とても「少ない」。電車を使い、山口駅周辺の駅から向かえる観光資源に行くことができれば、とても便利です。しかし、肝心の山口線が一時間に二本くらいしかないというローカルな時刻表なんです。10分以内おきに電車が来る首都圏から来ると、まずはここで躓きます。最寄り駅からバスということも、ほぼバスが来ない駅、タクシーなんてどこにも停まっていない駅というのが普通にありますので、駅に着いてから1時間歩いて目的地に着いた……ということが普通です。これをやってクタクタになって駅に戻ったら、電車が行ったばかりだった……となれば、もはや、次の駅からの観光をする心の余裕はなくなります。いっぽうで、道路は立派ですし、いくらでもショートカットできますから、土地の事情に明るいタクシー運転手さんと出逢えれば、これほど効率的なことはないのです。

なお、山口駅からバスで行ける範囲内ですと、事情は少し変ります。あらかじめ、時刻表を調べて目的のバスに乗れれば、行きについては全く問題なしです。ですけど、人里離れた雰囲気の場所ですと、帰りが心配となりますね……。行くバスがあるのなら、当然帰るバスもあるはずですが、事前に調査することは必須です。何とも悩ましいことです。

最近は、観光協会さまに事前問い合わせをすると、自転車での観光をオススメしてくださったりします。ですけど、自転車乗れないんです……となれば、もう、どうしようもありません。どんだけ、お金かかる観光地なんだろう……というのが、素直な感想です。電車による貧乏旅は、実にキツいですから、毎日繰り返していたら倒れてしまいます。滞在中一日は、タクシーの日を作る必要があると思います……。観光貸切りタクシーのお値段も年々高騰しておりますので、すごいことになります。もはや、駅近以外の観光資源には行けないのではないか、と悲しくなります。せめてもの節約術として以下のことに心がけるとよいと思います。

貸切り観光タクシーを使うときの注意事項
  • タクシーを使わないと行けないほど遠い場所には、二度と来れないものと覚悟する。事前調査をしっかり行ない、絶対に「見落とし」がないようにする
  • 出来る限り効率良く回れるように、周辺にある観光資源をすべて炙り出す
  • タクシーの運転手さんだからといって、すべての観光資源をご存じではないと心得る。観光地に詳しい運転手さんに出逢えるかどうかは「運」。最悪、目的地に辿り着けないこともある。早めにタクシー会社に連絡をして事前予約をしておけば、詳しい運転手さんを手配していただける可能性が高まる
  • 実はタクシー会社によって、値段がかなり違う。事前にホームページで確認するのも有効だが、はっきりしない部分もあるので、電話で確認するのが重要

ちなみにですが、ホテルのフロントから、いきなり「今日はタクシー貸切りで回りたいのですが」と配車手配をお願いしたところ、最初のタクシー会社さんは1時間○千円とのお言葉。単純にかけ算すると、五万円くらいになりました。恐ろしくて倒れそうになったのは、優しいフロントのお兄さんも同じでしたので、ほかの会社にもご確認くださったところ、何と、三万円です、と言われました。お兄さんともども、なんで最初の会社とこうまで値段が違うのかと、却って不安となりました。「これ以外に、駐車場料金だの、燃料費だの、別料金はかかりませんか?」と何度も確認していただきましたが、「きっかり三万円です」と。ホテルの方が、入口までお見送りくださり(なんか、タクシー会社と運転手さんの雰囲気を確認してくださっていたみたいでした……)、本当にきっかり三万円というお話を運転手さんからも確認。もはや、感覚がマヒしてますが、三万円とてじゅうぶんに大金です……。

お言葉に嘘はなかったばかりか、注文の多い観光客対応のプロとして、社内でも有名な運転手さんが来てくださったおかげで、怪しげな寺社名リストにあったほぼすべての目的地を無事に消化できました。

早数年経ちますので、現在も「三万円」で回っていただける保証はないですが、会社によって違うこと、交渉によって変ることは事実です。1時間六千円とか言われて、その場でこれが相場か……とあきらめるのは早過ぎるので、調べまくってください。あとは、ガイドさん協会経由で、歩いては行けない観光地をタクシーでまとめていただいた際にも、とてつもなくお安くなっていました。何も知らない観光客が「いくらでもお支払いしますから、連れっててください」というのは一番危険です。相場も分らない上に、値切り交渉もできないのです。それこそ、言い値になってしまいます……。

目的別の楽しみ方

観光客の目的により、いかようにも楽しめるのが山口市の旅の魅力です。例えば、最低でも以下のような区分があります。

テーマ別やまぐちの旅
  • 大内文化の遺産を巡る
  • 明治維新関連、近現代の史跡を回る
  • 自然を楽しむ旅

ありきたりですが、上のように区分してみました。最初に、一番下は、秋吉台のことです、はい。で、上二つなのですけど。これ、実は微妙にそれぞれが絡まり合っていて、個別に切り出すことは意外と難しかったりします。大内氏歴代当主の関連寺院が、近現代に再建されてまったく別の趣ある史跡に変っていたり、もしくは、関連寺院が明治維新の時に駐屯地になってたとか、普通にありますので……。いや、絶対に明治維新以外の史跡には関心がないのでと宣い、香山公園に行って「枕流亭」と「露山堂」だけで帰る人もいないでしょう(五重塔、きっと視界に入っちゃうだろうし)。

そんなわけなので、興味関心とは関係なしで、そこに「何があるのか」についての事前調査は絶対に必要だと思うのです。興味関心って、意外に後から変ったりしますし。一番厄介なのが、墓所だったりします。最近は、観光客に配慮して、維新の志士の墓所がここにあります、のように書いてくださっている寺院さまも少なくありません。でも、何も書かれておらず、知る人ぞ知るということになっているケースもまだまだ多いです。後から「見ないで帰ってきていた!」となったのが、山口駅から徒歩圏の場所ならいいですけど、そうではなかった場合、二回目はないかもしれないのですから。

とはいえ、どれだけお安くしていただいても、貧乏旅とは比較にならない出費は覚悟しないとダメですので、上に挙げたような最低限の準備で、悔いのない出費となるようにしましょう。

周防山口館おすすめモデルコース

この庭園が「大内庭園」などと自称しているところからして、かなり「偏った」ものにはなりますが、おすすめモデルコースと、ちょっとした萌えポイントについてまとめておきます。

独断と偏見による山口の旅・モデルコース
  • 山口市内町歩き(山口大神宮から瑠璃光寺五重塔まで、市の中心部を歩き倒します)
  • バスや電車で行くちょこっと郊外旅(さすがに山口駅からは歩けないトコロ)
  • 貸切りタクシーでじゃんじゃん回る旅(質より量でいい方向け。そもそも歩いては行けない場所です)

山口市内町歩き

何よりもこれがオススメです。山口滞在に一日しか時間がない方は、トコトン極めてください。時間がないからこそタクシーで、という考え方も確かにあります。でも、意外にも歩いてもかなりの数行くことができますし、何よりも山口という町の魅力を肌で感じて欲しいからです。タクシーでは、絶対に味わえません。

山口大神宮、瑠璃光寺五重塔、洞春寺、八坂神社、築山神社、龍福寺、大内氏館跡、サビエル記念聖堂、同記念公園、厳島神社(山口の宮島町)、法泉寺跡、菜香亭、雲谷庵など

これら、すべて歩けます。まる一日あればじゅうぶんです。そもそも一日も要らないんですけど、それなり、各所で風情を楽しむ時間は必要ですから。

ちょこっと郊外旅

常栄寺、古熊神社、妙喜寺、仁壁神社、赤田神社、五の宮大明神、朝田神社、清水寺、凌雲寺跡など――これらは、付近の駅やバス停から歩けなくもないのですが、今のところ歩いて行ったことがない場所です。仮に歩いて行くにしても、出発駅は山口駅とはなりません。とはいえ、近いですので、タクシーおまとめでもそこまで高額にはならないですし、バスでも行けるはずです。歩いて行くことがかない次第、詳細をお伝えする予定ですが、現状、ここらはタクシーで行ってしまっているので、何とも言えないのです。

陶 & 鋳銭司の観光資源:正護寺、艫綱の森、寄舟神社、陶陶窯跡、周防鋳銭司跡など――なにゆえに、陶 & 鋳銭司だけ特別なのかって? 特には……。ただし、電車の駅へ向かい、そこからすべて徒歩で回るという実験を行なった地域だからです。同じことが、ほかの駅からもできると思うのです(むろん、駅によって行ける観光資源は変りますが)。ただし、正直なところ、ひたすらに歩き疲れる旅であったことは申し添えます。また、山口市内と違って、趣ある町並みを感じるという楽しみがあまりなかったことも災いして、どっと疲れました。普通に地元の方々の住宅地もしくは耕作地といった雰囲気ですから、町並みは日本全国どこにでもあるものです。怪しい観光客が町歩きしていると不審者扱いされるか、何もない耕作地で日が暮れたら怖くなるかどちらかです。おすすめポイントは「安上がり」。

禅昌寺、泰雲寺――バスで行けます! 長閑な雰囲気の町並みも心地良いですし、山口駅から防府行きのバスに乗って、その名も禅昌寺前というバス停で降ります。この行き方が可能な観光資源は数多いと思うのですけど、一つ一つ調べている余裕がなく、結局おまとめタクシーに頼ってしまいます。山口を極めていない証拠ですね……。

じつは、上で「郊外」と書いた観光資源にも、バス停から歩けます、というところは多いんです。ただし、手許の資料がやや古いため、現在のバスの運行状況がどうなっているのかなどがわかりません。また、県庁前(乗り換え)○○行き△△バス停のようになっている場合、知らない場所で、二回もバスを乗り換えることは、結構面倒だったりします。それこそ接続が悪いと、すさまじいタイムロスです。また、悲しい哉、我が自宅付近もそうですが、路線バスは全国区でその本数が減らされる傾向にあります。そのため、不確実要素が強いと考えています。バスの時刻も調べられますから、時間が出来たら調査して、分類整理しようと思います。それまでは、申し訳ありませんが、ピンポイントで「ココに行きたい!」と決まっている方は、観光協会さまにお問い合わせをお願いいたします。最も経済的な行き方をご教授いただけるはずです。

貸切りタクシーでじゃんじゃん回る旅

悲しいことには、ほとんどの観光資源はこの「行き方」で回っています。後から「バスが出ているわよ」と教えていただいたり、駅から歩けそうだなと感じたりする場所もあるにはあるのですが。基本的に、徳地と秋穂についてはすべてタクシーを使っています。究極、時間との勝負みたいなところもありますので、市内町歩き+貸切りタクシー+ピンポイント(陶&鋳銭司のように)を組み合わせることになっています。

前二回、タクシーで訪れた正護寺(陶)に、電車+徒歩で辿り着けた時は感動しました。先程、町歩きの楽しさは山口市内と比較にならないと書いてしまいましたが、半分は嘘かも知れません。やはり、どんな町でも、歩いて見なければ分からない良さがあるのです。タクシーを使っての訪問では、見つけられなかったものも、徒歩で行って初めて見つけられました(意図して探していたわけではないのですが)し、この寺院さまの付近ってこんな風になっているのか。道はこのように繋がっているのかというようなことが分かると、単に寺院駐車場にタクシーを乗り付けた時とはまるで違った光景が見えてくるのです。悲しい哉、山口市には魅力的な観光資源が多すぎて、すべてにおいてこれをやっていたら崩壊します。また、現実問題として、バスも通っていないような奥地に佇む寺社もあるのです。こればかりは如何ともしがたいです。仮に無事に辿り着けたとして、帰りはクタクタのはずです。今はどこでもタクシーを呼べるでしょう、と仰るかも知れませんが、電波も届かなかったりします……。残念ですが「諦め」も必要だと考えています。

五郎

なんか、ガイドブックには載っていないところがおおいので、俺たちだけで分類していいのか典拠にかけるね。だから、載せられなかったところ多数あるよ。

ミル

『趣味の山口』とか読みながら、補充していけばいいよ。山口県全体で一冊のご本だと、紙幅の関係で観光資源も厳選ってなるから。

五郎

「厳選」とやらに入ってないお気に入りの場所、多すぎるよ。

おわりに

日本全国四十七都道府県。どこも魅力いっぱいです。海外旅行なんて行っている暇があったら、自国の名所旧跡を楽しみましょう。時間はいくらあっても足りません。そんな中、中国地方とご縁があったミルたちは、この生涯で使える時間をすべて中国地方の旅に捧げています。経済的な事情と時間の関係から、一口に中国地方と言っても、山口、広島、島根にしか行ったことがありません。この先もそうでしょう。なぜなら、一点集中型の旅人だからです。「好きな場所を極めたい」のです。その点は「全国名所旧跡巡り」の方々とは、真逆の発想です。後者は出来うる限り、日本の良い所を極めたいと思っておられる方々。ミルたちは、全国すべては無理。そのかわり、パッケージツアーみたいな時間制限型旅行ではなく、一箇所を気がすむまで回る派です。どちらの行き方もお好み次第です。あそこにもここにも行きました! どんなにか羨ましいことでしょう。でも、この地域については隅々回りました! という行き方もまた、素晴らしいと思います。難点は、何を以て「隅々回った」と判定されるかです。はっきり言って、そんなこと、誰にも無理なのではないでしょうか。人生の終幕を迎えた時、「だいたい回り尽せたかな?」と感じたい。それが目標です。

ミル

このページはそもそも、旅日記みたいな内容でした。この、個人のナントカ日記は、ほぼ99%、検索エンジンには嫌われます。誰も、「あなたの日記なんて読みたいとは思わない」からです。検索エンジン的には「○○とは?」「××のことです」式になっていないと、評価を付けられないのです。世の中に五万と存在する皆さまの素敵な一日を記した素晴らしい日記類。面白くもない過去の「貴族の日記」を好む歴史研究者も、イマドキの皆さまの日記など相手にもしません。なんて無礼なんでしょうか。そんなわけで、このページはまるっと削除でかまわなかったんですけど、ちょっと中身を変えてみました。さて、検索エンジンの挙動はどうなるでしょうか。

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