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不動院(広島県広島市)

2022年9月2日

山門の写真

不動院・基本情報

住所 〒732-0068 広島市東区牛田新町3-4-9 
電話 082‐221‐6921
最寄り駅 アストラムライン「不動院前」から徒歩
山号・寺号・本尊 新日山・安国寺・薬師如来
宗派 真言宗 別格本山

不動院・歴史

江戸時代の書物によれば、開基は僧空窓であるという。ただし、いつ頃建てられたのか、確かなことは分からないそうである。本尊の薬師如来坐像が平安時代の様式であることから、かなりの歴史を持つ寺院であると考えられている。
足利尊氏が諸国に安国寺を建てたとき、安芸安国寺となり、守護・武田氏の菩提寺としても栄えた。大永年間、武田氏と大内氏とが抗争を繰り広げる中で、安国寺は焼け落ち衰退した。それを再興したのが、安国寺恵瓊だった。恵瓊は金堂はじめ、多くの伽藍を復興した。
関ケ原の合戦で西軍が敗れると、毛利家は安芸国を去り、恵瓊も命を落とすことに。安国寺は寺領を没収されるなどして、またしても不運に見舞われた。
その後、福島正則の時代に、禅宗から真言宗に改められ、本尊が不動明王となったことから、不動院と呼ばれるようになった。正則の後、安芸国は浅野家の統治下となったが、当寺院は藩主たちの保護を受けたという。
広島に原爆が投下されたとき、多くの貴重な文化財が失われた。しかし、不動院は大きな被害を受けることもなかった。(参照:説明看板)

これだけだと、どこが大内氏と関連のある寺院なのだろう? と感じる人もいるかも。しかし、広島市内唯一の国宝とされる不動院の金堂は、じつは山口から移築されたものなのである。それゆえに、ゆかりの地を回っている方々は必ず、この地をも訪れるのだ。

現在の瑠璃光寺は元香積寺跡地に建っていて、だけど五重塔だけは元々香積寺にあったもの。不動院の金堂も同じく、元香積寺に建っていたものである。このことは、平成十年に、関口欣也先生が明らかにされた。金堂天井の絵にある住持名などを根拠になさったという。「天井墨書」によれば、建立されたのは天文九年ということなので、大内義隆の時代である。(参照:山口市史 史料編 大内文化)

不動院・みどころ

国宝が一つ。重要文化財が四つ。広島県重要文化財が二つ、広島市重要文化財が三つある。まさに文化財の宝庫。仏像や文書類は無理でも、建造物は見放題。なお、豊臣秀吉の遺髪塔、福島正則の供養塔、安国寺恵瓊の墓、武田刑部少輔墓と供養塔や墓碑が合計四つもある。

金堂

不動院金堂の写真

国宝。「現存する唐様仏殿にあって最大の規模」であり、「大内氏後期でみられた山口地方独特の構造」を今に伝えるものとして貴重(上掲書)。

天正年間、安国寺恵瓊が山口からこの地に移築し、仏殿とした、と伝えられている(参照:説明看板)。

原爆の災禍にも耐え抜いた金堂だが、現在屋根の損傷がひどいために葺き替え工事をする旨、看板が立っていた。日付が書かれていなかったので、現在も寄付を募っておられるのかわからないけれども、杮板を寄進すると、寄進者の名前とメッセージを記した板が、金堂の一部分となって後世に伝えられるというものすごい企画だ!

五郎

えええ! 俺、知らなかったよ。寄進すべきだったな。

ミル

そうだね。写真撮っただけで帰ってきてしまった……。

鐘楼堂

不動院鐘楼堂の写真

重要文化財指定。

永享五年(1433)頃の建立という。中に高麗鐘がある。銘や痕跡から天正年間に移築された可能性がある。(参照:説明看板)

金堂が天正年間に移築されたものであることから、同じ時期に移されてきたものだとしたら、同じ場所にあったのではないか、と何となく考えてしまう。永享五年といったら持世代で、金堂よりもはるかに古い建物ということに(のわりには、何となく新しく見えるんですが……。補修工事済?)。

楼門

不動院の楼門

同じく重要文化財。文禄の役に従軍した安国寺恵瓊が朝鮮から持ち帰った材木で建立したとされている。しかし、建築様式は室町時代のものとみなされており、恵瓊は朝鮮の材木を使って修復を行ったとも考えられているという(参照:説明看板)。

五郎

まさか、これも移築されたものとか言わないだろうな?

ミル

そうは書いていないよ。もともと恵瓊さんは廃れていた寺院を復興したのだから、お寺そのものはずっと古いんだもの。それに、たとえ場所が変わったって、そこで大事にしてもらえればいいんだよ(それよりも「木造仁王立像」をよく見ていなかったことに気づいたよ。写真では見えているのに……)。

不動院写真集

アクセス

広島高速交通アストラムラインに「不動院前」という駅があり、文字通り真ん前です。広島駅からですと、新白島で山陽本線から乗り換えです。ちなみに、となりの城北からは広島城に行けます。二ヶ所一緒に回るのがお得です。

参照文献:「山口市史 史料編 大内文化」山口市 平成二十二年、不動院様説明看板

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