
芦樵寺・基本情報
住所 山口県防府市松崎町5-27
電話 0835-22-3042
最寄り駅 防府天満宮バス停下車5分
山号・寺号・本尊 宝蔵山
宗派 臨済宗東福寺派
坐禅体験 料金800円(要事前予約)
芦樵寺・歴史
大内氏の先祖は周防国衙の在庁官人だった。国衙は現在の防府市あたりにあったから(だから地名が防府なのだ、多分)、実家が大内なら勤務地は防府。たいへんにゆかりが深い場所だ。しかし、この寺院が建てられたのは南北朝時代の観応元年(1350)、開基は大内弘世だから、もはやただの国衙の役人ではなく、中国地方の実力者になっていた頃のことになる。
弘世は明岩和尚という人を招いて開基とし、佐波郡西佐波令村字飛上り(『山口県寺院沿革史』の記述そのまま。現在の恵比須町とあるが、説明看板にある戎町と同じだろう)に寺院を建立し、菩提寺とした。明岩和尚は当時、円覚、建長寺両刹に歴往し名声徳望共に高い僧侶で勅諡大達禅師明岩大和尚と呼ばれる人だった(有名そうなのに『日本史広辞典』には一文字もない)。開山由来で、その後三百余年間、円覚寺の末寺だった。
大内氏ゆかりの寺院が滅亡後ふるわなくなる、の典型として、今にも衰頽しそうな状況となった。しかし、常栄寺(宮野)から南山和尚が住山し、復興に専念努力した結果、寺門は再興された。ゆえに、南山和尚をして中興とする。また、円覚寺派を改め、東福寺派直末 となった。
江戸時代、毛利家宿坊となったり、毛利重就が参詣・祈禱を行なうなど、新たな統治者の元でもしっかりとその役目を果たした。明治四年(1871)、旧藩毛利氏の改正布達によって、現在の地(元浄土宗正定寺跡)に移転した。正定寺は西念寺と合併していたから、それらすべての歴史がこの場所にある。現本堂その他の建造物は前記浄土宗正定寺当時のそのままを買收したものであり、二百余年前の建物という(参照:『山口県寺院沿革史』)。
車塚にあった時、火事によって宝物などが焼失したため、現存しない。
境内にはに勤王の士正五位岡本三右衛門の墓がある。
芦樵寺・みどころ
「維新の志士を支えた豪商、岡本三右衛門の頌徳碑」――山門前にある。
なお、当寺院では座禅体験ができる。
※座禅体験については、山口県、防府市などの自治体様サイトにて、最新情報を確認してください。
本堂
岡本三右衛門碑
岡本三右衛門は、幕末の志士たちを助けた商人。
彼に助けられた人の中には、高杉晋作氏や、坂本龍馬氏などの名前もある。
アクセス
防府駅からタクシーを使いました。
参照文献:『山口県寺院沿革史』、説明看板