みやじま・えりゅしおん

弥山(廿日市市宮島町)

2022-11-11

弥山・本堂

広島県廿日市市宮島町の弥山とは?

弥山は厳島神社や五重塔などとともに、「弥山原生林」として、世界文化遺産に登録されている島内最高峰の山です。宮島は名前の通り「島」ですが、それ以上に「山」としての印象も強烈なところです。島全体が信仰の対象となっていた、ということは広く知られていることですが、弥山も古くから修行、信仰の場となっていました。弘法大師によって開山されたという伝説があり、人々は「弥山めぐり」と称して山頂の堂宇に参詣しました。現在も参拝者が絶えません。

弥山の頂上には、数多くの奇岩が大量にあります。それらの岩々を見て回ったり、展望台から瀬戸内海を見下ろす絶景を眺めたり、宮島ならではの独特の自然を楽しむことができます。まさに、あれもこれもできてしまうところなんです。なお、弥山の頂上までは、宮島ロープウエーに乗っていくことができ、その車窓からは弥山の原生林を目の当たりにすることが可能。健脚自慢の方々ならば、整備された三つのルート(紅葉谷、大元、大聖院)からお好みのルートを選んで歩くのも心地良いです。

弥山・基本情報

所在地 広島県廿日市市宮島町
標高 535メートル

弥山山頂への行き方はいくつかあります。ひとつはもちろん、ロープウエーを使う方法。もう一つは文字通りの「登山」です。

現地案内看板や観光案内所に置いてある地図等によれば、登山コースは以下の三つです。

一、大聖院コース
一、紅葉谷コース ⇒ 関連記事: 弥山登山道「紅葉谷コース」紅葉谷公園
一、大元コース ⇒ 関連記事:弥山登山道「大元ルート」大元公園

弥山(地図)

(大元公園内にあった観光案内看板の地図をお借りしています)

コースによって見ることができる光景が異なります。また、所要時間、道の険しさなども違います。災害などで道が荒れてしまっている可能性もありますので、常に最新情報を確認してから登山道に入るようにしてください。

弥山・歴史と概観

弥山は「みせん」と読みます。名前の由来には「山の形が須弥山に似ていることから」みせんと呼ばれるようになった、もともとは「御山(おやま、みやま)」と呼ばれていたものが変化した、など諸説あるようです。

信仰の山

弥山は古くから、山岳信仰の対象となっていましたが、大同元年(806年)に弘法大師が開山して以来、真言宗の聖地のひとつとして、ますます篤い信仰を受けるようになりました。

宮島は島そのものが信仰の対象とされていた、とよくいわれます。その信仰の始まりはかなり古い時代まで遡ると考えられています。弥山からは古墳時代くらいに祭祀に使われたとみられる遺物がみつかっているそうです。山頂にゴロゴロと転がる巨大な岩ですが、これらを「磐座」とみなす考え方があります。

「磐」はいわくらと読み、記紀神話や風土記の時代からその名が使われていたことがわかっています。そもそもは神さまがいらっしゃる場所、の意味でしたが、その後、神さまの依り代となる岩石をさす言葉となりました。このような岩石は、やがてそれじたいがご神体となっていきます。島そのものが信仰の対象となっていることで知られる沖ノ島、同じく山そのものが信仰の対象とされた三輪山などの古代から続く著名な神社が鎮座している地でも、同じように大岩を祭祀に用いていたらしく、岩の周辺から祭祀に使われたと思われる遺物が見付かっているといいます。

弥山原始林

弥山「弥山原生林」案内看板

宮島は島全体が、瀬戸内海国立公園の一部であり、さらに特別保護区域、国指定特別史跡、特別名勝に指定されています。弥山はその宮島の中央に位置する、島の最高峰(標高・535メートル)です。

弥山は、古来より続くその特異な自然植生を現代にまで残していることから「弥山原始林」として、国の天然記念物に指定されました。現在はそのまま、世界文化遺産の中に組み込まれています。

弥山めぐり

弥山から見下ろす瀬戸内海の島々の展望は美しく、また信仰の山として多くの寺院やお堂などの史跡もあることなどから、常に多くの観光客で賑わっています。数多くの名所旧跡を見て回る「弥山めぐり」が大人気です。伊藤博文が弥山を深く愛したことがブームの始まりで、登山道の整備などもその頃から始まったといいます。

みどころは大量にありますので、十分な時間をとって回る必要があります。すべてを見て回るには、それぞれの登山コースを全部使わないと無理なので、一回では見切れません。また、ロープウエーを使えば、登山道を歩く必要はなくなり、時間が短縮できますが、歩かないと見れないものが多数あるため、ロープウエーだけですませることはおすすめできません。そのいっぽうで、ロープウエーから見ることができる弥山原始林の姿も圧巻ですので、一度は絶対に乗るべきです。いったい、何回訪問すれば弥山を満喫できるのか気が遠くなります。

五郎イメージ画像
五郎

俺たちもう、三回も弥山に来てるよ。ロープウエーにも二回乗った。

ミルイメージ画像(涙)
ミル

それでも、見れたものはほんのわずかです……。

五郎イメージ画像(笑顔)
五郎

ミルはトロいから見落としが多いからだけど、何度でも来ればいいから俺は気にしてないよ。

弥山・みどころ

弥山山頂のみどころ地図(ルート案内)

弥山山頂地図

何度も道に迷い、迷路みたいだなと思った苦しい体験から(注・方向音痴でない一般の方ならば、普通は迷いません)、なんとなくの道のつながりと、いったい山頂にはどれだけのみどころがあるんだろう? というところを図式化してみました。宮島観光協会さまの HP & 地図や各種現地案内看板などを参照に自作したものとなります。道の曲がりくねったさまとか、上手いこと表わす術をもたないため、実際の道の流れと微妙に違うところがありますことを、ご了承くださいませ。

皆さまロープウエーを使って登頂。くねくねした道を歩いて山頂に到着するかと思います。もちろん、ほかの登山コースから歩いて来られた方も。ここではロープウエーを使ったと仮定して、大まかな歩き方をまとめました。

ロープウエー駅(もしくは紅葉谷コース登山)⇒ 弥山山頂:本堂(①)、不消霊火堂(②)

山頂からは二本の道が出ており、うち一本は中途で分岐するため、四つのルートがあると思ってください。

Ⅰ 山頂 ⇒ 不消霊火堂右の石段を上る:三鬼堂(③)⇒ 観音堂(⑤)⇒ 文殊堂(⑥)⇒ 展望台
Ⅱ 山頂 ⇒ 仁王門(⑨)⇒ 奥の院(左折)、大聖院(右折)、大元公園(真っ直ぐ)
Ⅲ 山頂 ⇒ 「Ⅱ」の道中途右手にある階段を上る:大日堂(④)⇒ 干満岩(⑦)⇒ 展望台
Ⅳ 山頂⇒ 「Ⅱ」の道を「Ⅲ」の右折路より先で左折:御山神社(⑧)

ロープウエーで戻る方は「Ⅱ」「Ⅳ」の道を行った場合元来た道を引返します。特に「Ⅱ」で仁王門を抜けてなお進んで行くと弥山への登山道「大聖院コース」と「大元コース」に入ってしまいますので、歩いて下りる予定のない方は要注意。なお、「Ⅱ」で「大元コース」に入る手前に「駒ヶ林」へ寄り道する分岐点があります。

分かれ道にはたいてい順路矢印がついていますので、迷うことはないはずですが、周囲の景色に感動しているとけっこう見落とします。登山ルートはどれも二時間はかかるため、誤って迷い込んだら早めに引返さないとたいへんです。

弥山・本堂

弥山・本堂創建年代:不明
本尊:虚空蔵菩薩、脇侍:不動明王、毘沙門天

本堂裏に弘法大師が修行を行なったとされる「求聞持堂」があるそうですが……。それって拝観できるのでしょうか? お賽銭箱のところで引返してしまったため、中から繋がっているのかも不明。ただし、海上から見えたんです。地形に詳しい地元の方しかわからないので、「あれは何?」「求聞持堂や」とお話を小耳にはさんでいる間に船は遠ざかってしまいましたが。

海上まで見に行く人も稀ですが、本堂まで来て裏側がどうなっているのか確認せずに帰ってしまうなんて。しかも弥山の頂上すでに何回も来ているのですが。とりあえず今回も保留。

不消霊火堂

弥山・不消霊火堂

本堂と一緒に、弥山山頂にございます。このお堂の中で焚かれている火はなんと 1200 年もの間消えることなく燃え続けているそうです……。1200年って、気が遠くなるほど昔のことになりますが、これがだいたい弘法大師が弥山を開山なさった頃以来、となるそうです。むろん、「言い伝え」と書き添えられておりますが。

火種はお堂の中にある大釜の下で今も燃え続けています。この「永遠に消えない」ということにあやかったものか、「不消霊火堂」は「恋人の聖地」なるデートスポットになっております。

カップルが同時にボタンを押すと一瞬灯が点るというモニュメントが、宮島ロープウエーさま HP で紹介されていました。これは、不消霊火堂にあるわけではなく、ロープウエー駅にあるということか? 二人いれば同時にボタンを押すことは可能なので、恋人同士である必要はなく、万が一恋人同士で押して、何かのアクシデントで灯が点らなかったらどうするんだい? とひねくれた独り者は考えた。

五郎イメージ画像
五郎

いいなぁ。ミルと一緒に押してみたい!

鶴ちゃんイメージ画像(怒)
鶴ちゃん

お前、趣味が悪いぞ。

五郎イメージ画像(怒)
五郎

ミルは俺の世話係だ。まともに務めてもらわないと困るから言ってる。世話係もいない流れ者がつべこべ言うな。

三鬼堂

弥山・三鬼堂

三鬼大権現をお祀りしているお堂です。「鬼」ってワルモノみたいに思われがちですが、けっしてそうではありません。こちらでは神様として大切に崇められております。元は、御山神社の場所にありましたが、明治時代になって御山神社の場所にあった三鬼堂が御山神社に改められたため、こちらに移されたのだといいます。⇒ 関連記事:御山神社

神仏習合していた時の名残でしょうか。それぞれの「鬼」神は対応する仏様の化身です。
魔羅鬼神(不動明王)、追帳鬼神(虚空蔵菩薩)、時眉鬼神(大日如来)

観音堂 & 文殊堂

弥山・観音堂

上が観音堂、下が文殊堂。ともに、三鬼堂から展望台へ向けて上って行く途中にあります。この順路だと、先に観音堂、つぎに文殊堂が見えるはずです。

弥山・観音堂

どうでもいいことですが、かなり写真撮影が難しいお堂です。脇に大岩があったりして、いかにも弥山の頂上付近というような場所にございます。

大日堂

弥山・大日堂

何やら長い階段がある! と上っていった先にありました。帰宅後調べて見ると「大日堂」だったことがわかりました。その名の通り、本尊は大日如来です。この中にかつて、不動明王もおられましたが、重要文化財指定となったため、現在は大聖院に移されたそうです。

弥山展望台

弥山・展望台

つねに上って「展望」するけど、建物じたいをじっくり見たことがなかった展望台。つぎこそは、と思ったのに。何と言うことか、靄っていてよく見えません。山の空気は変りやすいって言いますが、本当に一寸先も見えなくなった瞬間がありました。こういう日に登山とか、本当は危険だからいけないはず。どうしようかと思っていたら、やがてすっきりと視界が晴れました。

ですが、展望台からはもう遠くなっていたので、またしてもそのお姿ご紹介は次回更新まで持ち越しとなりました。

弥山・山頂

弥山・山頂

「山頂365メートル」と書かれた標識が立っています。ここが正式な山頂ということでよいのでしょうか? 靄はなおも晴れず、何となく幻想的な雰囲気です。

「山頂巨石群」

弥山「山頂巨石群」

「巨石群」といっても、そこらじゅうが「巨石」であるため、特にどれがそう、ってものはないかと。とりあえずいくつか写り込んでいるかな、ということでこの一枚です。

「晶洞群」

弥山「晶洞群」

「この附近の『花こう岩』には、大小の『がま』が発達しています。『がま』には、『石英』や『カリ長石』のきれいな結晶が見られます。注 がまとは岩石中の空洞に鉱物の結晶が密集しているもの」(説明看板)

見てもさっぱりわかりません。きれいな結晶ってあるから探してみたかったけれども。鉱石に詳しい廿日市の先生にお伺いしたかった……。

干満岩

弥山「干満岩」

潮の満ち引きによって岩穴の水が上下するという岩。案内看板もついているゆえ、非常にわかりやすい奇石となります。ほかにも大量の珍しい岩(石)があり、それぞれ呼び名が付けられていたりするのですが、名札がついてはいないので、とても見付けにくいです。

この干満岩で大切なのは、手前の水溜まりではなく、右上の小さな穴のほうです。ここに手を差し入れてみると、濡れていてこんなところに海水が!? ということがわかるんです。

くぐり岩

弥山・くぐり岩

ここを抜けたら山頂、みたいなところにある有名な岩です。特に案内看板などはありませんが、文字通りくぐれますので、間違ってはいないかと思います。

あれこれの奇石

弥山にある石はどれもこれも不思議なかたちをしており、そこここに石仏が置かれているなど、何やら神秘的かつ厳かな感じです。特徴ある石にはユニークな名前が付けられていてとても楽しいのですが、どの岩が有名な○○岩なのか、ということはじつにわかりにくいです……。

「何となく似ているけど……」程度にしか判断できないため、それらの石を敢えて名前は記さずにご紹介します。間違っていたら困りますので。これかな? というコメントはつけていますが、本当にわからないので、信用しないでください。間違っていますよ、という有難いご意見は感激ですが、嘘つきというお怒りにはご対応できかねますので、何卒ご了承くださいませ。

弥山・奇石1

すでに壊れてしまった毘沙門堂跡というものがあるそうです。何も残っていないため、どれがそうなのか不明です。くぐり岩脇の階段近くがそれである、というご意見をみかけました。だとするとこれみたいです。

弥山・奇石2

不動岩という岩も有名みたいで、不動明王さまが祀られているということから、あ、祀られてるじゃん? と思いました。ですけど、これがそうなのかは案内版ないのでわかりません。

弥山・奇石3

舟みたいなかたちをした岩も有名です。干満岩の近くにあるとかで、干満岩の撮影時間と近いことからこれかも? と思いました。舟に似ているので。ですが、ホンモノはもっと V 字型をしておりまして、どうやらこれではないようです。ただし、それらの公式写真とこの写真とで階段の位置が違うため、あるいは反対側から見たら……? と思いました。どうみても無理があるけど。

弥山・奇石4

この岩は、ガイドさんのご案内をお伺いしながら撮影した記憶があります。ですけど、何だったのか忘れてしまいました……。クジラによく似た岩も有名だとかで、何となく似ているのですが、保証はないです。ただ、何気にカラスがとまってたりして、面白い光景なので、その意味で保存しました。

弥山・奇石5

これもガイドさんのご説明をお伺いして撮影した記憶が。こうなるともうさっぱりですが。疥癬岩のご説明をお伺いした記憶があるのに、写真がないため、あるいはこれなのか? と思いますが、もはや記憶の彼方です。ただ、単なる巨大な岩ということだけでも面白いですよね。

弥山・奇石6

ヘビ岩なる岩を探していました。これを見た時、まさにヘビだ! と思ったんですが、帰宅して見返したところあまりインパクトがなく……。公式写真にも似ているような似ていないようなで……。ちなみに、ヘビ岩のホンモノは、大元コースにありますので、気になる方は大元コースで探してください。

弥山からの展望

弥山の頂上から眺める瀬戸内海は素晴らしいです。でも、詳しい方とご一緒しないと、見えている島がなんなのか、とかわかりません。ガイドさんとご一緒すると、あれこれと教えてくださるので、その場では大興奮なんですが、帰宅すると全部忘れてしまっているので(涙)。

見晴らしのよい所に行く際には、そこから見えるであろう地図などを持参するのがよいかもしれません。そもそも、展望台などには、そのような地図が看板になっていることが多いです。弥山にもどこかにあるんじゃないかと思うのですが、今に至るまでわかっていません。

弥山・展望1

弥山・展望2

弥山・展望3

遠くの島々の手前に弥山頂上の奇岩群も一緒に視界に収めることができます。

弥山・展望「駒ヶ林」を望む

背後に見えているのは駒ヶ林です。何度も向かった場所ですが、こうやって弥山の頂上から見渡せるんですね。

閼伽井堂

弥山・閼伽井堂

本尊は不動明王さま。中にはひしゃくで掬ってお水をお入れする釜があります。このお水がとても由緒あるもので、弘法大師が修行に用いたと伝えられております。

水掛地蔵堂

弥山・水掛地蔵堂

名前の通り、ひしゃくで水を掬ってお地蔵さまにおかけします。こんなに目立つお堂なのですが、数年かよって初めて見付けました。

仁王門

弥山・仁王門

立派な仁王さまがでーーんとお出迎え。ここから先に大聖院と大元公園に下りていく登山道入り口(登ってきた人なら出口?)があります。大聖院、大元公園以外に、駒ヶ林、奥の院に向かうにもここを抜けてからです。逆に、手前には御山神社に行く左折路もあり、何かと分岐する目印となる門です。⇒ 関連記事:御山神社、駒ヶ林、大聖院、大元公園(それぞれリライト、もしくは準備中)

弥山(廿日市宮島町)の所在地・行き方について

所在地 & MAP

山なので Googlemap にも「廿日市市宮島町」としか書かれていません。住所は不要でしょう。

アクセス

上述したように、二種類、四ルートの行き方があります。ルートによって難易度や見ることができる観光資源などが異なるため、詳細は宮島観光協会さまや宮島ロープウエーさまのホームページで確認してください。また、とっておき情報として、大聖院さまのホームページに写真付きのとても詳しい登山ルート解説 PDF がございましたので、ぜひともご覧くださいませ。

また、台風そのたの自然災害で道が荒れたり、ロープウエーが定期点検でお休みだったりということがあり得ます。弥山を訪れる際には「事前に最新情報を確認する」ということを、絶対に忘れないでください。

宮島ロープウエーで行く

弥山の山頂まではロープウエーを使えばラクに到着します。ただし、ロープウエーの終点から弥山山頂までもそこそこ歩きますので、ついたらすぐそこに観光資源、ではないことには注意が必要です。下から登山することに比べれば距離が短いため楽ちんですが、それなりに歩きにくい道です。

なお、ロープウエーは往復チケットを購入するとやや割引となりますが、山頂まで行ったら、あれこれのオモシロいものが大量にある登山ルートにそそられること疑いなしで、帰りは歩きたくなる「はず」です。なので、帰りのチケットをムダにすることを思えば、切符は片道だけ購入して乗車することをオススメします(帰り道を歩いて復路切符を廃棄した体験があります)。

登山ルートで行く

登山ルートは次の三つです。

一、紅葉谷コース紅葉谷公園でご紹介しています)
二、大聖院コース
三、大元コース大元公園でご紹介しています)

それぞれのコースごとに特徴があり、できればすべての道を通ってみるのがよいと思います。そのためには最低でも二回は弥山に来ないとならないですね。ですが、一番短い紅葉谷コースでも、一時間半は余裕でかかりますし、けっこう疲れ果てますので、すべて体験するにしても往復ともに歩くことはあまりオススメできません。

もっとも、これをやってしまうと、まる一日を弥山で終えることになるため、長期滞在型の旅をしている方やリピーター以外には無理です。なお、登山が大好きなのでロープウエーは使わずすべて歩く! という方も、一度はロープウエーを体験してください。ロープウエーから見る弥山の原生林は素晴らしいからです。

モデルコース的には、行きはロープウエー帰りは歩いて下りる、となりましょうか。ただし、紅葉谷コースは最短距離で初心者にも優しいので、このコースから登って帰りはほかのコースもしくはロープウエーもいいかも。かなりの健脚が書いていますので、「歩きたくない~」という方は無理をなさいませぬように。

それぞれのコースの「みどころ」を見ていると、アソコが見たい、ココを通りたい、という欲望が湧いてくると思います。その場合、それらの「みたいもの」(岩だったりするかと思いますが)が、各登山コースのど真ん中(中間地点)でない限り、弥山山頂もしくはそれぞれの登山道登り口付近から行けてしまうことがあります。観光協会さまの案内図などにはだいたい何分歩いた付近ということを書いてくださってあるので、それをご覧になって山頂から 10 分とかだったりしたら、下まで下りる必要はまったくないです。

正直なところ、どのルートも程度の差こそあれ、岩がゴロゴロした山道という点では同じですので、先を急ぐ人、山歩きが嫌いな方にとっては絶対に通るべきところとまでは申せません。体力と気力、弥山への入れ込み度には個人差がありますので、そこら辺、じゅうぶんにご検討くださいませ。

参照文献:『宮島本』、宮島観光協会様 HP、宮島ロープウエー様 HP、大聖院様 HP ほか

弥山(廿日市市宮島町)について:まとめ & 感想

弥山(宮島)・まとめ

  1. 弘法大師が開山したといわれる信仰の山であると同時に、世界文化遺産にも含まれている「弥山原生林」をもつ自然景観の美しいところ
  2. 弥山頂上までは宮島ロープウエーが運んでくれる。車窓から見える原生林や、遙かに見下ろす瀬戸内海の景色はまさに絶景で、生涯に一度は乗るべきロープウエー
  3. 弥山の頂上には本堂をはじめ、三鬼堂、不消霊火堂などの宗教施設とともに、数多くの奇岩が点在している
  4. ロープウエーを使わず、文字通り「弥山登山」を行なうためのルートも整備されているが、やや健脚向きなところもあるため、歩くのが苦手な人はロープーウエー往復チケットでかまわない
  5. 弥山から行ける御山神社、駒ヶ林などのみどころもあるので、山頂まで来たらちょい足を伸ばすことをオススメ
  6. 弥山にある数々の奇岩はどれが何なのかわからず、神経質な人にとっては気になって仕方ない。余裕があれば、地元のガイドさんにご案内をお願いし、「岩を極めたい」旨お伝えするのがいいかもしれない

何かと把握するのが難しい観光資源がこの弥山です。文句なしに楽しく、また敬虔な気分になる山頂ではありますが、極めようとすると途端に奥が深くなり、沼にハマったようになります。

数年前のことになりますが、弥山でご祈禱を体験しました。お世話になっている地元の方に勧められて「人生観変るよ」とのことで、ご親切に甘えてお願いをしました。その当時は仏教の宗派もよくわからないほど無知だったのですが、今にして思うと真言密教のご祈禱を受けるなんて、生涯のうちに何度体験できるかわからないものすごいことでした。数年後にして人生観変った気がいたします。ありがとうございました。

祈禱を受けることそのものはきちんと予約すれば、どこの寺社さまでも可能かと。しかし、弥山山頂でそれを執り行っていただいた、ということがとんでもなく得難いことに思えました。心に余裕ができたら、もう一度ご祈禱をお願いし、当時とは生まれ変わった己の姿を見ていただきたいと強く願っております。今は名前もわからない小さな祠にもきちんと手を合せて、お賽銭もお入れしておりますよ。貧乏ゆえ、ご教授くださったとおり、一円玉を入れております。

さて、何やらそこここにある石仏や、珍しいかたちの岩に魅せられてしまって困っています。あまりに数が多いですから、すべてを見て回ることなんて一生かかっても無理だと思うのですが。そんな岩なんてどうでもいいじゃん、と思える方が羨ましいです……。

こんな方におすすめ

  • 宮島来たら厳島神社だけじゃなく、弥山も行かないとねということをちゃんと知っている
  • 信仰の山、自然景観の山、とにかく山登りが好きです

オススメ度


(オススメ度の基準についてはコチラをご覧くださいませ)

次郎次郎
次郎

思うんだけどさ、岩なんてどーでもいいじゃん? お前が見てそれがヘビに見えるならヘビだし、ほかのそのた大勢と同じである必要はないと思うぜ。

ミルイメージ画像(涙)
ミル

いやなの。ダメなの。絶対に有名な岩を極めたいの……。

鶴ちゃんイメージ画像(怒)
鶴ちゃん

限りある予算で岩一つのために何度も来島するのは無理ではないか(← 礼儀正しい少年なので『ア×みたい』などとは口にできない)。

五郎イメージ画像(怒)
五郎

それは弥山の奇岩を見たことがない奴の台詞だ。すべて極めない限り、俺たちの旅は終わらない。

腰少浦神社付近での記念写真
廿日市・宮島旅日記(含広島市内)

五郎とミル(サイトのキャラクター)が広島県内を観光した旅日記総合案内所(要するに目次ページです)。「みやじまえりゅしおん」(宮島観光日誌)、「はつかいち町歩き」(廿日市とたまに広島市内の観光日誌)内それぞれの記事へのリンクが貼ってあります。

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-みやじま・えりゅしおん