みやじま・えりゅしおん

紅葉谷公園(廿日市市宮島町)

2023-03-02

紅葉谷公園・紅葉橋前にて

紅葉谷公園(広島県廿日市市宮島町)とは?

宮島の中にある公園です。名前の通り紅葉が美しい渓谷を中心としています。紅葉谷、紅葉谷川、紅葉橋……と紅葉だらけ。もとより宮島といえば紅葉! というくらいに有名ですので、麗しい風景を堪能するのにはもってこいの場所と言えます。

紅葉谷には宮島ロープウエー紅葉谷駅があり、弥山登山道「紅葉谷コース」の出発点ともなっています。ロープーウエーを使うにせよ、歩くにせよ、弥山に行くためにはここを通ることになります(歩いて行く場合の登山道にはほかのコースもあり)。付近には藤の花の名所「藤の棚公園」、四宮神社などがあります。

「紅葉谷川庭園砂防」が国指定重要文化財となっています。

紅葉谷公園・基本情報

所在地 〒739-0541 廿日市市宮島町紅葉谷

今回ご案内するのは、だいたいつぎのような範囲内です。

宮島案内図・紅葉谷公園部分

紅葉谷公園・概観

紅葉谷の歴史は古く、江戸時代の頃にはすでに、紅葉の名所となっていたようです。

基本は風景を楽しむところですが、紅葉谷までもそれなりに歩きますので、ちょっとしたハイキングコースとなります。宮島観光協会様の案内図を拝見すると、「紅葉谷公園」、「奥紅葉谷公園」と書かれており、両者の間隔はかなり離れている印象です。ロープウエー駅などがあるのは「奥紅葉谷公園」と書かれたほうでして、歩くとそれなりの距離となります。

それゆえに、宮島ロープウエー様の案内看板にはつぎのように書かれております。

宮島ロープーウエー乗り場案内看板

厳島神社社務所脇からうぐいす歩道を上っていくと、ロープウエーの無料送迎バス停留所がございます。「ときどき走」るのが嫌な方は、バスを使ってしまうのもいいと思います。
※ただし、これはあくまでも、ロープウエー利用者のための無料送迎バスですから、弥山に行く予定がなく、ただただ紅葉谷公園の紅葉を見るためだけの方は歩きましょう。

紅葉谷公園・みどころ

当たり前ですが、できることならば、秋の紅葉が美しい時期に訪れたい場所です。でなければ「紅葉」谷などと呼ばれてはいないでしょう。とは申せ、いつ頃が紅葉の見頃なのかは、その年の気候によっても微妙にズレてしまったりしますので、常に常に最高の時期に行くことは難しいです。宮島観光協会様のホームページには、紅葉の情報が載っていますから、マメにチェックしつつ一番の見頃はいつか、を確認してください。

紅葉橋

紅葉谷公園・紅葉橋

その名も「紅葉橋」といい、もはや紅葉谷公園のシンボルみたいになっている橋です。この写真はなにゆえにか青葉の季節ですが、これがすべて紅葉したら、どれだけ美しいことでしょうか。想像するだけでうっとりします。むろん、いついかなる時に訪れても、その時々の魅力を味わうことができるのが宮島のいいところなんですが……。

瑠璃光寺五重塔資料館のあれらの美しいポストカード。しょせん素人がスマートフォンでカシャカシャやっているだけですから、麗しい風景は専門家にお任せして、シーズンオフに来たら絵葉書を買って帰るべし。あなたにとっては、今日この日が瑠璃光寺とご縁があった日なのです。紅葉なくとも、雪なくともそんなことはどうでもいい。というのが、敬愛するベテランガイドさんのお言葉。けど、紅葉橋のポストカード、どこに売っているのかわからないので、瑠璃光寺みたいにすんなり問題が解決しません。

紅葉谷橋

紅葉谷橋

紅葉谷公園には橋が二つあります。間違い探しみたいになりますが、上の「紅葉橋」とこの「紅葉谷橋」はまったく別の橋です。Googlemap の地図にも二つの橋がしっかり出ておりますので、簡単に調べられます。けれども、投稿されている写真はそもそも橋ではない付近の風景などもあり(大鳥居までありました。なにゆえに? と思います……)、かなり長いこと眺めていましたが、二つの橋の違いはわかりませんでした。

ですが、気が付くと目茶苦茶わかりやすいことで、橋に名前が書いてありました。わかりづらい写真となりますが「紅葉谷橋」とはっきり書いてあります。だったら、上の「紅葉橋」も反対側に「紅葉谷橋」と書いてあるんじゃないか? とお尋ねになられれば、そうかもしれないので断言はできません。けれども、「名札」で確認可能とわかってから目をこらして見てみると、橋に続く石段や、手前の灯籠と岩など、上下の写真は微妙に違うことが明らかです。

奥紅葉谷橋

奥紅葉谷橋

紅葉橋、紅葉谷橋に加えて、「奥紅葉谷橋」もございます。

紅葉谷川庭園砂防

紅葉谷川庭園砂防

なんとも奥ゆかしい渓流の風景に見えますが、さにあらず。これは「紅葉谷川庭園砂防施設」と呼ばれる「施設」でして、台風や大雨による水害から人々を守るために行なわれた護岸工事によって改修された紅葉谷川なんです。かくも見目麗しく穏やかな紅葉谷川ですが、ひとたび大雨が降るとまるで別人ならぬ川となり、たいへんな大災害を引き起こしてしまうのです。

庭園砂防説明看板(2)

現在の姿は、昭和二十年(1945)の枕崎台風で被害に遭った後、三年間の歳月をかけて復興したものです。この復旧工事に際して、周囲の景観を損なうことがないように、まるで庭園のように見える防砂施設が造られました。これは、歴とした国指定重要文化財となっていまして、国指定文化財等データベースにて確認できます。

弥山から厳島神社の背後に流れくだる紅葉谷川に築かれる。昭和20年の枕崎台風で被災した「史蹟名勝厳島」の災害復旧事業として,昭和23年に着工,25年に竣工した。
砂防と庭園の専門家の協働により,土石流によって堆積した巨石を巧みに利用しながら,紅葉の名所として知られる紅葉谷公園の風景や厳島の歴史的風致との調和が図られた砂防施設である。
終戦直後の混乱期に,国及び地方政府と連合国最高司令官総司令部が連携して実現した,文化財の災害復旧事業としても貴重である。なお本件は,西海橋とならび戦後土木施設として初めての重要文化財指定である。
出典:国指定文化財等データベース(文化庁)
https://kunishitei.bunka.go.jp/heritage/detail/102/00005288

ところで、この庭園砂防ですが、堰堤は第一から第五までございます。それぞれ微妙にその姿が違うようでして、下の看板に詳しい写真が載っています。

庭園砂防説明看板

藤の棚公園

藤の棚公園

柳小路を真っ直ぐ行った突き当たりにあります。藤の棚が見えていますが、花が咲いている時にはどんなにか綺麗だろうと思います。じつは、咲いている時に見たことがあるのですが、写真は撮らなかったので心の中の風景として残っています。⇒ 関連記事:滝小路・柳小路

四宮神社

四宮神社

安芸国四の宮で、その名も「四宮神社」。厳島神社の末社にあたります。祭神は加具土の神。「たのもさん」として地元の方々に親しまれている神社さまです。一の宮から順番に、番号が大きくなるほど、規模は小さくなりますが、地元密着型の身近な神社となっていくことは周防五社と同じですね。安芸国の一の宮はいうまでもなく、厳島神社ですよ!

四宮神社(横から見た図)

四宮神社の社殿を横から見た図です。何となく、神社に行くと脇からとか後ろからとか眺めてしまいます。山口で拝殿と本殿までが連結している形式の神社を参拝すると、どこがどう繋がっているのか、正面からではよくわからず。そんなときに、脇から眺めると連結がよくわかるということに気が付いてしまったのです。それ以来、習慣になってしまいました。宮島の神社は脇から見てもあまりどうということがないケースが多いですね。厳島神社を色々な角度から見るのはありですが、ほかは摂社、末社と小ぶりなところが多いからでしょうか。

四宮は毎年の例祭時に、厳島神社平舞台の火焼前(ひたさき)から田面船と呼ばれる船を流す行事が有名です。

流された舟の行き先が気になっていましたが、対岸の大野でガイドさんが「鯛山稲荷神社」をご紹介くださいました。

附・鯛山稲荷神社(廿日市市大野)

鯛山稲荷神社(廿日市市大野)

鯛山稲荷神社・説明看板

「大野西小学校からプール周辺にかけて鯛山と呼ばれていた小山がありました。鯛山は小山地区から南に突出した小山で「昔はこの辺りまで海でこの山から鯛を釣っていた」との言い伝えがあります。元は松の木がうっそうと茂った山でしたが昭和三十年頃からはじまった大野西小学校の拡張工事のためだんだんと削り取られ昭和二十四年には鯛山はすっかり消滅してしまいました。今は大野西小学校の体育館付近に「鯛山跡」の石碑が置かれ、わずかにその面影を残すのみです。
当時、鯛山にあった法華経石塔に参詣する道の正面には鯛山稲荷神社が祀られていましたが鯛山の消滅に伴い、この地に移されました。 創建年月は不明ですが伏見稲荷を勧請したものです。 宮島と鯛山稲荷神社は関係が深く、 稲荷神社のない宮島では昔から対岸の大野へ島民の稲荷神社への信仰をこめて「たのもさん(田面船、田の実船)」を流し、 その流れ行く舟を漁船が拾い上げる習慣がありました。大野の農家ではその舟を田の畔に置くと豊作になると信じられていました。」(看板説明文)

附・宮島ロープウエー

交通機関は観光客を観光資源に運んでくれるもの、という定義をするとすれば、交通機関そのものは観光資源ではないのかもしれません。ですが、宮島ロープウエーは『宮島本』にも項目がたてられていることからわかる通り、それじたいがとても貴重かつ重要なものです。

そもそもですが、このロープウエーという「呼び方」色々あります。要するに「表記揺れ」の問題です。どれが正解なのか、というものはなく、「固有名詞」として運営会社様の表示に従うのが原則です。

つまり、以下のようなことが言いたいのです。

(前略)「ropeway」をインターネットで検索してみると、「ロープウエー」「ロープウェー」「ロープウエイ」「ロープウェイ」といった表記が出てきます。
「宮島ロープウエー」「鋸山ロープウェー」「御在所ロープウエイ」「箱根ロープウェイ」など、固有名詞もいろいろで、「ゆれている状態」にあることがわかります。
どの表記も間違いというわけではありません。また、放送で、固有名詞を伝えなければいけない場合には、それぞれの名称に合わせて発音・表記します。
出典:NHK放送文化研究所ホームページ
https://www.nhk.or.jp/bunken/research/kotoba/20150601_4.html

どうでもいいような気がしつつ、ロープーウエーなんて、上の引用文にないような入力までやっていたくらいなので、かなり長期に渡って悩み抜いた問題です。宮島ロープウエーさまが「ロープウエー」となっていたので、なるほど、正しくはロープウエーだったんだ! と思いましたが、運営会社様によってそれぞれということで……。ほかでもすべてロープウエーとやっていたら、ほかの運営会社様に、うちは○○ロープウエイですとか怒られてしまうかもしれません。ほかのロープウエーを使うことは生涯においてもう、ないと思いますが、注意しないとですね。話し言葉的にはどれでも通じますので、それこそ NHK のアナウンサー様など以外はさほど意識する必要がないこととはなります。でも、固有名詞を書き間違えたら、相手の方にとても無礼なことになりますもんね。と、書きながら、どこかで平然とロープーウエーとか書いちゃってると思うのですみません。今直しているところですので、お待ちください。

重要

正式名称:「宮島ロープウエー」さま

詳細は宮島ロープウエーさま HP を見るのが一番なので、ここではあれこれ書きません。なのでいきなりまとめです。

宮島ロープウエー・基本情報

運営会社所在地:〒739-0522 廿日市市宮島町紅葉谷公圏内
公式 HP:http://miyajima-ropeway.info/
竣工:昭和五十四年(1959)
運行範囲:紅葉谷駅 ⇒ 榧谷駅 ⇒ 獅子岩駅
型式:循環式(自動循環式)、交走式

宮島ロープウエーのどこが珍しいのか、循環式とか交走式とか意味分らん、ってなりますが、「循環式と交走式の2種類の方式のロープウエーを連絡」(『宮島本』)というところが珍しい点。循環式と交走式の違いについては、無責任ですが、正直よくわからないです。検索するとあれこれ出てきますけど、乗り物好きな人以外には、理解不能な高度な内容なので、極めたい方はお調べください。ちなみに、このワードについて『宮島本』の記述と宮島ロープウエーさまの説明文はまったく同じです。

ぶっちゃけいえば、紅葉谷から榧谷までが循環式、榧谷から獅子岩までが交走式です。なんで途中でわざわざ乗り換えにゃあかんの? と思っていたのは、ここで型式が変るからでした。「循環式」については取り立てて悩む必要はなく、要するにロープウエーってこんなじゃん? ってモノだと思います。つまり、下の写真がそれです。

宮島ロープウエー(循環式)問題は交走式のほうでして、「2台の客車が山頂と山麓を交互に往復するシステム」(『宮島本』)って書いてありますが正直、???? です。この「2台」ってところが重要みたいで、これについてはホームページの写真を見たらなんとなく理解できます。何せ「循環式」のほうは、大量にゴンドラがぶら下がっている写真が載っていますが、「交走式」のほうは「2台しか」写ってません。

弥山登山道「紅葉谷コース」

弥山登山道紅葉谷コース順路案内看板

皆さんがロープーウエーを使って上っていく弥山の頂上。これ、じつは下からずっと歩いて登山できます。観光協会さまのホームページやMAP、現地の観光案内版などに載せられているのが、三つの推奨コースです。「紅葉谷コース」「大元コース」「大聖院コース」の三つです。ほかにも道がないわけではないのですが、かつてはコースになっていたけれども、その後の台風などの被害そのたで、道が危なくなってしまっていたりして、現在は封鎖されてしまったコースがあるそうです。

「紅葉谷コース」は名前の通り、コチラ、紅葉谷を出発点としているコースでして、三つのコースの中で、頂上までもっとも近く、所用時間も一番短いものとなります。⇒ 関連記事:弥山

紅葉谷コースの特徴

メリット:最短距離、歩きやすい、初心者向け(所要時間:約 1 時間 30 分)
デメリット:途中にあまり見るべきものがなく、一番つまらない……。

紅葉谷登山コース入り口看板

初心者向けゆえ、難易度も低い道となりますが、なんとここにもマムシが……。というよりも、山に行けばマムシは普通に出るものらしく(出ない山もあるみたいですが)、注意喚起されているから=絶対に危険ということでもないです。けれども、わざわざ書いてくださってあるくらいなので、気を付けましょう。特に、草むらの中などに、故意に入ってはいかないことです。

弥山登山紅葉谷コース標識

登山道の途中には、ところどころこのような標識が立っておりますので、迷うこともないですし、少しずつ頂上に近付いていることが確認でき、とても心強いです。

弥山登山道

基本はこのような整備された道もしくは階段です。山を這い上がるとか、道が途切れているような箇所はありません(20230608現在。自然災害などで道が荒れることもあり得るので、事前に必ず公式アナウンスを確認してください)。

弥山登山道・階段

途中には、このように大きな岩がゴロゴロ転がっています。そのうちのいくつかは名前が付けられている「有名な」奇石なのですが、特に名札がついているわけではありませんので、なかなかすべてを見付けることは難しいです。

ハンマーロック

弥山登山道ハンマーロック(目印)

途中に「十一丁」と書かれた石碑の辺り、そうした奇石のひとつ、ハンマーロックがございます。

弥山登山道奇石「ハンマーロック」

登山の途中にスマートフォンやガイドブックをチラチラ確認することはオススメできません。ですので、それらしき面白いかたちの石を見付けたらとにかく撮影しておき、後で照らし合わせるしかありません。なので、見落とし続出となるわけですが、これは見るからに斧ですから、有名なハンマーロックであることが確認できました。

目印は「十一丁目」付近ということなので、途中の石碑にも気を配りましょう。

弥山登山道終点付近案内看板

かなり大量の階段がありうんざりしますが、疲れ果てた頃、ちょい開けたところに出まして、久々の大きな案内図が現われます。ここまで来ると頂上はすぐ先です。

頂上付近の展望

弥山登山道頂上付近の展望

登山道の最終地点付近の展望です。残念ながら小雨交じりで視界が悪く、すべてが靄の中となりました。これはこれで、幻想的ではあります。

弥山山頂到着!

弥山登山道紅葉谷コース終点

無事に弥山山頂に到着し、不動明王さまがお出迎えしてくださいました。いきなり山頂についてしまったので、思わず「え!?」となりました。ロープウエーで行くと、終点の駅から、弥山山頂までそこそこ歩くからです。考えてみたら当たり前ですが、最初から歩いて頂上を目指しているので、ロープウエーの駅に立ち寄る必要はないわけで、駅から山頂までの道をすべて歩かなくてすむのです。ロープウエイ駅からのルートは途中で紅葉谷コースに合流しますが、残りわずかって辺りです。

ロープウエー駅から弥山頂上までもそれなり長いし、歩きにくい道だった気がしますので(古い話となり、ちょっと記憶が曖昧)、その点を考えると紅葉谷コースはお得かなぁ~などと考えました。ですけど、ロープウエーと違い、こちらは下からずっと歩いてきていることを思い出すと、歩く距離を減らせる、という意味にはならないですね。「お得」と言えるのは、ロープウエーのチケット代金を支払わずにすんでいることくらいでしょうか。とは言え、その分時間と労力がかかっているのですから、微妙ではあります。

紅葉谷公園(廿日市市宮島町)の所在地と行き方について

所在地 & MAP

所在地 〒739-0541 廿日市市宮島町紅葉谷

アクセス

行き方にはいくつかあります。
一、厳島神社社務所脇の道を上る(10分くらい)。ロープウエー乗り場への案内板がついているのでそれに従います
二、大聖院方面からもみじ歩道を使い、藤の棚公園、四宮神社と行く
三、柳小路から藤の棚公園を抜けて行く(藤の棚公園からは二と同じです)

ロープーウエーに乗らずに、そのまま弥山登山に向かう人は、ロープウエーバス通りを行くのももちろんかまいませんが(多分)、藤の棚公園、四宮神社の道を通るのが楽しいと思います。左手に紅葉谷川を見ながら、紅葉橋、紅葉谷橋、奥紅葉谷橋と渡って登っていきます。

紅葉谷公園の観光写真

参照:『宮島本』、宮島ロープウエー様HP、宮島観光協会様HP、国指定文化財等データベース

紅葉谷公園(廿日市市宮島町)について:まとめ & 感想

紅葉谷公園(宮島)・まとめ

  1. とにかく紅葉が美しい公園
  2. ロープウエーの駅があり、登山道ルートの出発点ともなっている弥山への入り口
  3. 「紅葉谷川庭園砂防」は国指定重要文化財となっている砂防施設で、周囲の美しい自然景観を損なうことなく、台風や集中豪雨から人々を守る護岸工事の傑作
  4. 「たのもさん」として知られる四宮神社が鎮座する
  5. 紅葉谷公園から弥山を繋ぐ宮島ロープウエーは、循環式と交走式という二つの型式を連絡して運行しているという、全国でも珍しいロープウエー(ropeway の和訳表示には『表記揺れ』あるため注意すること。運営会社様の正式名称に従って書き分け・呼び分けるのがマナー)
  6. 弥山登山道「紅葉谷コース」の出発点となっている。一番初心者向けのコースで、最短時間で登れるし、道も整備されており、迷うこともない(※登山についての感じ方には個人差があります)

なにゆえつねに、シーズンオフにばかり来島しているか、その理由は簡単で「旅費が安い」からです。宮島といったら絶対に紅葉ですが、そんな時期は旅行代金が一年で最も高いのです。さらにいうと、人混みがものすごくて、参道は普通に歩けないくらいだとか。聞くだに恐ろしくて、とても近寄れません(泣)。

青葉の季節の紅葉谷公園も美しいですよ、と言い続けながらもだんだんと虚しさを感じるようになって参りました。次回はやはり秋に訪れるべきかもしれません。シーズンオフですと、弥山登山のための通り道である、という感覚にしかなりません。ということで、弥山登山についてですが……。

紅葉谷コースを使って弥山登山をするのはあまりオススメできません。途中に「みどころ」がほとんどないからです。ただし、もっとも安全かつ楽な道なので、初心者はまずここから行けば間違いはありません。ほかのコースはそれなりにタフであることを必要とします(特に大元コース……その上、道に迷いやすい)。その点、このコースは道がたいへんわかりやすく整備されており、基本は道の上を歩くか階段を上るだけですので、迷うということはまずないです。

弥山も観光客でごった返しておりますので、ほかの観光客の方の「写り込み」がない写真を撮りたいと思うなら、フェリーの始発に乗って、ロープウエーの始発(九時。202306現在)が出るより先に歩いて山頂へ向かうしかありません。そんな理由で仕方なく歩く人でも安心・安全なのがこの紅葉谷の登山道です。およそ迷い道することなく、最短距離で頂上まで行けます。ただし、途中の階段がかなりキツい上、ものすごい段数ありますので、途中に何もないこともあわせて、「やめればよかった……」と感じる瞬間があるかも。

けれども九時前に到着した山頂では、それこそ弥山の頂上貸切りで清々しい空気に包まれることができるため、その意味ではとってもオススメです。むろん、帰りも歩いて下山し、ロープウエーの料金を浮かせますから、そのことを考えても行きは紅葉谷コースを選ぶべきでしょう。紅葉谷から上り、大元公園に下りるルートを使いましたが、帰り道はかなり迷いましたし、もともとの時間も30分ほど長くかかる道です。下りのほうがややスピードが出ますので、大元から上り、紅葉谷から下りるよりはるかに効率的です。

しかし思います。時間は有限。ロープウエーで楽チンがじつはもっとも経済的だな、と。何もない山の中を一人寂しく歩いても空しいだけですし、地上にいれば、かわりにほかの様々な観光スポットがみれるわけです。ただなんとなく、すべての奇石をコンプリートしたいと痛烈に思うため、暫くはやめられないかと。一度ですむようにするためには、事前にガイドブックやネット上の説明をコピーまたはプリントアウトして紙で持参。歩みを止めても問題ない安全な場所できちんと静止し、それらの資料を確認しつつ進むことです。くれぐれも適当にながらスマートフォンで確認するのはやめましょう。普通に危ないですし、それよりも何よりも、登山道の中はナビゲーションもきかないことがあります。GPS で位置情報はわかりますが、道は教えてもらえないことがあります。そのくらい電波状況が悪いですので、あるいはスマートフォンで検索できない可能性もあります。スマートフォン内にダウンロードして紙とインク、コピー代金を浮かせることもいいのですが、登山の最中にスマートフォンは本当に危険なので。

登山ルートの出発点とする場合や、ロープウエイ駅に向かうための通過地点とするのではなく、純粋に公園でのんびりとしたい方は、ぜひとも紅葉の美しい季節にご訪問しましょう。

こんな方におすすめ

  • ロープーウエイを使わずに弥山に登りたい方
  • 登山が好きで、健脚自慢の方

オススメ度


(オススメ度の基準についてはコチラをご覧くださいませ)

ミルイメージ画像(笑顔)
ミル

でもさ、もみじって聞くと、「もみじ饅頭」のほうにそそられちゃう。

鶴ちゃんイメージ画像(怒)
鶴ちゃん

毎度のことながら、風流の欠片もないな。

五郎イメージ画像
五郎

それは宮島のもみじ饅頭を食べ尽くしたことのない奴の台詞。俺も饅頭食いたい。有り難いことに、もみじ饅頭はオールシーズンOK♪

腰少浦神社付近での記念写真
廿日市・宮島旅日記(含広島市内)

五郎とミル(サイトのキャラクター)が広島県内を観光した旅日記総合案内所(要するに目次ページです)。「みやじまえりゅしおん」(宮島観光日誌)、「はつかいち町歩き」(廿日市とたまに広島市内の観光日誌)内それぞれの記事へのリンクが貼ってあります。

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-みやじま・えりゅしおん