陶氏居館跡(富田)

陶氏館跡(富田)。陶氏と言ったら周南市、館跡はここ、となっているが、「陶」(山口市)にもあることを忘れずに。
なんのことはないイマドキの公園。
イマドキの童が蹴鞠に興じている。

文字通り地元民の憩いの広場=公園となった館跡
わすれさられたかのように、「館跡」を示す石碑類がひっそりと。
これも時代の流れである。
いつまでも五百年前の遺跡をそのままで残していたら、この住宅難をどう解決するのだ?
分かっているけど、なにゆえか虚しい夕暮れ時。

プロのご指導を受けられれば、当時の館の規模、今も残る遺構などが分かるはずだが、一般人には地元民同様、ただの公園にしか見えない。公園内に記念碑や看板があるので、見落とさないように。まずはここへ辿り着くのが至難の業。地元のガイドさん、タクシー運転手さんのサポート必至。

館跡石碑

現在、跡地は公園となっている。公園のフェンスの看板、そしてここにある石碑、看板から「あ、ここか」と知れる。
公園であるから、先の「陶」の時ほど、のどかな田園地帯ではない。
元の館の規模や、構造、なぜこの場所に本拠地を置いたのか、など学ぶべきことは多いだろう。

あのさーー、蹴鞠じゃなくて、サッカーだからね。

さっかー? どうりでちっとも雅ではないと思った。イマドキのガキには奥ゆかしさというものがな

君のような武闘派に言われたくないよね。

さて、本当に何一つ残っていないのがここだ。
わずかに、「かつてここにありました」という証拠の石碑があるだけ。

これ、いろんな自治体サイトのホームページに全く同じものがあるので、見たことある人は多いのでは?
でも、これはまぎれもなく、ミル自身が撮ったホンモノです。

あるのはわずかにこれだけ。
あとは、公園のフェンスに、それと分かる木札が。
なお、分かる人には、公園付近を丹念に見ると、かつての館跡がなんとなく把握できるそう。
ただし、インスピレーションでわかるから知識は気にしない。

遠くから来た観光客は感じ方が違うと思いますが、近場の人は、城と屋敷って案外遠いねぇ、なんてハイキングのたびに思ってるかも。
ドラマなんかでやっている、いわゆる戦国モノだと、天守閣ってランドマークがあって、殿様一家はそこに住んでいる、ってイメージ。
なんとなくそんな固定観念が定着しているね。

でも、防御施設である城と、居住空間である屋敷とは、そもそも全く別ものなんだよ。
普段は屋敷で平穏に暮らし、有事の際には城を利用する、そんなイメージ。

奥方様と殿様とが天守閣で子作りしているとか、戦時中以外あり得ないから。
そもそも、そういうときにすらやりたい大人の事情は僕にはわからないけどね。

いったいどこから戦国時代、って話は歴史マニアから研究者の先生方まで、延々と議論してきてるけど、僕たちは、足利将軍が健在なあいだは、室町時代、完全に傀儡と化した後は、謎の時代、って思ってる。
五郎が生きていたのは、明らかに室町時代だよ。

守護たちは、もともとの国府付近などに守護館を建てて暮らしていた。
だんだんと戦乱の世の中が色濃くなって、より防御的に向いたところへと移っていくわけだけど。

山口の町は、大内をはなれ、西の京を造ろうとしたご先祖・弘世さんから発展していくけど、雅で贅沢な暮らし向きとは裏腹、戦闘的な能力はまるでないところだった。
この話は、やがて、毛利の防長経略のあたりで、避けては通れない話題となるけども。
まあ、それだけ、大内家が大国で、そこらの小大名に攻め込まれる危険もない強い国だったから、それで何の問題もなかったとも言えるね。

鷲頭家とドンパチやってた頃に、富田の地に移って来た陶一門はそうも言っておられない。
屋敷は屋敷として、詰めの城は詰めの城として、しっかり戦闘態勢を整えていた。

だいたい、敵が誰になるかで微妙に変わるけど、後の毛利を想定すると、山口に至るまでに、敵は必ず陶領を通る。
(まあ、最後のお殿様になるまで、毛利を恐れるような人はいなかったはずだけどね)。
若山以外にも、けっこう山城は多いんだよ。

え? ここは屋敷の説明だった?
ごめんね。

 この周辺は現在平城と呼ばれています。 これは室町時代、陶氏の居館がここにあったことに 由来するものです。 陶氏は大内氏代々の重臣で、南北朝時代、下松の鷲頭氏を撃つために吉敷郡陶(現山口市陶)からこの地に移り住み、やがてここに居館を構えたとされています。
南方の国道二号線付近に七尾山城、北に上野の城山、 別所城などがありました。
一方、陶氏は海においても、優れた兵力を抱えており、 その本拠地が現在の防府市の富海、或いは、周南市の古市にあったとされています。
また、近くの海印寺には、陶弘護の次男の興明や興房の嫡男で晴賢の兄にあたる興昌の供養塔があり、大切にされています。
平成十六年九月 周南市教育委員会

リニューアル前公開日: 2020年4月18日 16:32

〒746-0082 山口県周南市下上1560