みやじま・えりゅしおん

町家通り(廿日市市宮島町)

2023-07-06

町屋通り・五重塔

広島県廿日市市宮島町の町家通りとは?

宮島の桟橋方面から厳島神社方面に向かう通りのひとつです。桟橋から厳島神社に向かう道には、海沿いから順番に、参道、表通り商店街、そしてこの町家通りと三本の通りがあります。町家通りは表通り商店街、旧参道の面影を残す山辺の古径とも接続しており、もちろん、参道まで出ることも可能です。通りにはパン屋さんやお好み焼き屋さん、酒屋さんなどあれこれの素敵なお店がございますが、全体的に静かで趣ある雰囲気。たくさんのお土産物屋さんが並ぶ賑やかな表通り商店街も楽しいですが、ちょっとひと息つきたい時に、ふらりと立ち寄りたい心地良い道です。

なお、この通りから眺める五重塔の姿がまた格別でして(五重塔はどこから見ても美しいですが)、とっておきの一枚が欲しい方にはぜひとも立ち寄っていただきたいオススメの撮影スポットの一つです。

町家通り・基本情報

所在地 〒739-0588 広島県廿日市市宮島町
※Googlemap に出ている住所です。

町家通り・概観

今回ご案内するのは、だいたい以下の範囲内です(※五重塔に上がるところの案内看板をお借りしています)。

町家通り(地図)

町家通りは基本、真っ直ぐな一本道で、表通り商店街の隣にあります。民家と商店が建ち並ぶ、昔ながらの町並みといった風情です。問題は、どこから始まりどこで終わっているのかが、はっきりしないことです。現地の案内看板、観光協会さま配布の地図ともに、表通り商店街と平行する部分にのみ町家通りと書かれています。これはもちろん、= 「町家通り」と書かれた部分だけがそうです、という意味かも知れませんが、違うかも知れず……。そこまでこだわる人もいないでしょうし、深く考えなければそれでいいのですが……。

地図に見えている「町家通り」と明記されている部分は、塔の岡が終点となります。ところが、Googlemap を最大まで拡大すると、五重塔に登らず右折して表通り商店街に接続する道にも「町家通り」と書かれているのです。そうだとすると、真っ直ぐな一本道ではなく、最終部分がちょい右に折れた道、ということになりますね。

気になるので地元の方にお伺いしたいと思いつつ、そこまで気にする問題か!? とも思うと何やら恥ずかしくもあり、今に至るまで確認できておりません。Googlemap を信じましょう。

町家通り・みどころ

特に何かの観光資源がある、というよりは、町並みを楽しむ場所です。通りの両脇にある商店は、おそらくは「通」のみが知る穴場かと思われます。残念ながら忘れてしまいましたが(知っていても宣伝はできないけど)、以前、地元の方にココの料理が最高なんよ、とこっそり教えていただいたのは、この通りにあるお店だったような気がします(うろ覚えです)。

ちょっと横路に入りますが、幸神社、誓真釣井などがあるほか、ちょこっとだけ足を伸ばすと、かつて表通り商店街に置かれていた大杓子が展示されている宮島交流館・宮島まちづくり交流センターにも行けます。

道祖神社

町家通り・道祖神社

町家通りが塔の岡に至る手前の辺りを、左折したところにあります。通りからは見えないので、見落としがちです。幸神社というお名前のほうが有名。お参りするだけで happy になれてしまう気分です。この付近を「幸町」といいますが、幸町にあるから幸神社なのか、幸神社があるから幸町なのか知りたいですね。

『宮島本』によると、もともとは午頭天王をお祀りしていた神社であった模様です。

「道祖神社(通称幸神社)
厳島神社末社
御祭神 猿田彦神
例祭 旧暦八月十五日(中秋)
御利益 旅の安全・夫婦和合
火難・水難避除け
社殿の背後に陰陽石があり、道祖の
御神体といわれ例祭日には陰陽石の参拝ができます
神社の前の道は、東町から厳島神社に
参詣する道筋だったので、この辺りは
島内でも屈指の賑わいを見せていました」
(説明看板)

金鳥居の辻

町家通り「金鳥居の辻」

何やら「名所 金鳥居の辻」なる看板が立っていました。Googlemap にも名所旧跡マーク(?)みたいなものが載っていますけど、何もないです。看板だけ。要するにかつてここに金鳥居があって、それゆえに、この辺りを「金鳥居の辻」といっていたみたいです。

恐ろしいことにこの看板、今風でお洒落な造りなのに、何とも古風な文体で書かれております……。さらに文字も達筆であるため、見ても(読んでもではない。それ以前の段階)わからない人いるんじゃないかと(涙)。なんでフツーに書いてくれないんだろう……。あるいは、外国人観光客向けの英訳のほうが受験生などにはわかりやすいかも(短いし)。

「ここ塔の岡の下を云ふ。幸町附近を総称せる地名ともなれり。
長寛年間(1163~1165)建立と云ふ鐵鳥居一基高さ五丈(約 15 m)鉄にて……」(説明看板)

ああ、もう疲れた(そのうち文字起こしいたします)。要するに、ここに古い鉄製の鳥居があったがゆえに、この附近を金鳥居の町と呼んでいたそうです。明治初期の頃には、まだ柱が残っていたとか。なんで素直にそう書いてくれないのかな。宮島を訪れる観光客は皆さん高尚な方ばかり、ってこと?

なお、『宮島本』には道祖神社のところにこの鳥居のことが書いてありました。看板にも神社のことは書いてありますが、古文はイマドキの童には難しいため、現代語訳をつけるなどのご配慮を何卒よろしくお願い申し上げます。

誓真釣井

町家通り・誓真釣井(幸町)

誓真さんの釣り井戸は全部で十ありましたが、現存するものは四つです。これはそのうちの一つ、幸町にあるものとなります。なぜか一番桟橋に近い井戸だけ未だに見付けられておりません(毎回探しているのに……)。幸町のは来島するたびに同じ写真を撮っているみたいで(毎回初見だと感じてしまい、帰宅して、あれ? となります)、もう何回見たのかわかりません。それだけわかりやすいところにある、ということでしょうか。

五郎イメージ画像(怒)
五郎

いや、どれもそんなに探しにくくはないはずだ。ミルがトロいだけ。俺、この井戸ばかり十回は見た。同じものを何度見てもわからないくらいだから、新しいものなど見付けられるはずない。

ミルイメージ画像(怒)
ミル

同じものだと気付いているなら、その場で教えてくれればいいのに。本当はわかってないんじゃないの?

五郎イメージ画像(怒)
五郎

……。

次郎次郎
次郎

喧嘩はいいから、残りの二つ見せてよ。たかが井戸じゃん。

ミルイメージ画像(怒)
ミル

「たかが」井戸ってどういう意味? この釣り井戸が宮島の方たちにとってどれだけ有難いものだったか知りもせずに。残り二つの井戸については非公開です。

じつは、四つある井戸はそれぞれ、普通に地元の方々の住空間の中に存在します。ここのものと、まだ見付けられていない桟橋付近のものはわかりやすい上に、何気におおやけのもの、という雰囲気です。ゆえに、このように写真を撮ったりしても問題ない感じです。しかし、残りの二つは、地元の方々の邸宅内にあります。看板もついていますし、いちおうは観光資源のように見えますが、写真撮影などしたら、敷地内に井戸がある方のプライバシーを侵害することになってしまいます。全部で四つとか聞いてしまうとすべて見たくなるのが常ですが、この井戸に関してはやめるべきかと。

すべての井戸が、現在も使われている(特に飲用水として)とは考えにくいですが(未確認です)、そのくらい、地元の人々の生活に密着していた名残かと思います。井戸そのものは、どこのものも同じですので、ココのようにおおやけっぽいものを見て満足しましょう。正直、ジロジロと井戸を眺めることじたいが、ご無礼にあたりかねません。そのくらい、「え!?」という場所にありました……。⇒ 関連記事:誓真大徳頌徳碑山辺の古径

次郎次郎
次郎

何なのよ。ますます見たくなっちまった……。

五郎イメージ画像(怒)
五郎

ミルが道に迷って、地元の方々の住宅街から出られなくなった時、偶然にもそこに井戸があった。観光客なんか歩いていそうにない場所だ。

次郎次郎
次郎

へぇ。それってけがのこうみょうとかいうやつじゃん。

ミルイメージ画像(涙)
ミル

いいえ。ただの迷惑な迷子です……(漢字で書けない四字熟語を使わないでください)。

世界一の大杓子

etto宮島交流館・世界一の大杓子

宮島といえばしゃもじ。この巨大しゃもじは「長さ7.7メートル重さ2.5トン」(廿日市市ホームページ)もあります。もともとは、表通り商店街に置かれていましたが、現在は etto 宮島交流館(宮島まちづくり交流センター)に移されて展示されています。

写真だとわかりにくいのですが、とにかくとても大きいです。ちょい場所がわかりづらくて、適当に歩いていたら偶然にも行き着いた、ということにはならないので(多分)、きちんと意識して見に行ってください。

町家通りから見た五重塔

町家通りから見た五重塔

町家通りから仰ぎ見る五重塔の姿はとても美しいです。手前に入る建物、塔からの距離などによって微妙に雰囲気が変るので、記念撮影したい方はあれこれと試して最高の場所を探してみたら面白いかと思います。じつは、ライトアップされた五重塔をここから見るのが素晴らしいそうなんですが。夜になると宮島は真っ暗になってしまいますので、ちょい奥まっている町家通りまで来る勇気がありませんでした。もう道に迷うこともなさそうですので、次回はトライしてみようと思います。⇒ 関連記事:厳島神社五重塔厳島神社○○となっている建築物)、五重塔塔の岡

表通り商店街

表通り商店街

表通り商店街は厳島神社同様、常に人でごった返していて、ちょっと苦手。けれども、その賑やかでわいわいがやがやしているところがこの場所の魅力。ただし、毎回左右のお店は覗かずに素通りです。一歩踏み込んだら両手に荷物となってしまうこと必至なので。

お土産物を買うときに注意すべき点として、いわゆる「どこの観光地にもあるよ」ってものを間違えて買わないことがあげられます。宮島でしたら、もみじ饅頭とか鳥居のミニチュア、しゃもじに似顔絵をかいてくださるサービスを利用などすれば問題ありません。

けれども、間違っても招き猫とか富士山Tシャツの類を買わないように。そんなものを売りつけるお店はないので心配する必要はないのですが。西洋人の観光客が多い場所ですと、「いわゆる日本」というお土産も売られています。宮島のつぎは京都大阪行きます、みたいな外国人ではない場合、明日は帰国かもしれません。そういう人たちのために「いわゆる日本」というお土産物は全国の観光地で共通して売られているので。正直、そういうモノを欲しがる日本人は普通いないので問題ないですが。

しゃもじやもみじ饅頭に混じってまれに謎なモノが売られているのでちょっとびっくりすることがあります。それ言っちゃうと、観光地はどこに行ってもソフトクリームという定番に見事にハマってますので、何とも恥ずかしいのですが。

五郎イメージ画像(怒)
五郎

え!? ソフトクリームって、宮島が原産じゃないの?

鶴ちゃんイメージ画像(怒)
鶴ちゃん

まさかと思うが、お前たち、宮島以外の場所に行ったことがないのか?

五郎イメージ画像(涙)
五郎

そう言えば、相模国でも食べてた(俺じゃなくて、ミルが、だけど)。

ミルイメージ画像(涙)
ミル

だって美味しいんだもん……。でもいいの、ソフトクリームの倍はもみじ饅頭買ってるから。

表通り商店街・牡蠣

町家通り(廿日市市宮島町)の所在地・行き方について

所在地 & MAP

アクセス

表通り商店街から一本内陸側にある通りです。厳島神社の参詣後、道なりに帰り、お土産物や街に入らず一本手前の道を右折すれば OK。何をするにも今はスマートフォンのナビゲーションさえあればなので、とっても便利になりました。まさか迷う方もないと思います。それでもわかりにくいことはままありますが、この通りに関しては問題ありません。

幸神社は通りからわずかに奥まっていますので、見落としたくない方はそこは気を付けて下さいませ。また、大杓子のある交流センターも、閑静なところにあるため多少わかりづらいです。着いてみたら何だココか、ってなるのですが、お社やお堂ばかり探し回っていると知らぬ間に通過してしまいます。

※歩きながらのスマートフォンはとても危険ですので、ナビゲーションを使うときには、周囲の方の迷惑にならぬように、誰もいないところできちんと停止して画面を見てください。

参照文献:『宮島本』、宮島観光協会さま地図、廿日市さまホームページ(世界一の大杓子)、説明看板

町家通り(廿日市市宮島町)について:まとめ&感想

町家通り(宮島)・まとめ

  1. 表通り商店街から一本内陸側にある通り
  2. 昔ながらの風情ある町並みが懐かしい気分にさせる
  3. 幸神社(道祖神社)や誓真釣井がある
  4. ちょっと足を伸ばしてetto 宮島交流館(宮島まちづくり交流センター)に立ち寄れば、世界一大きい杓子を見ることができる
  5. 五重塔を仰ぎ見るのに絶好のスポット。写真撮影にオススメ
  6. ソフトクリームは宮島の名産品ではありません。どこの観光地にも普通にあるものなので、くれぐれも誤解しないように。ただし、どこのお店もとても美味しいのでお腹がすいたら食べ比べしてかまいません

滝小路、柳小路、町家通り……と、趣ある道が数多いのも宮島の特長。けれども、海産物を食べることができないので、牡蠣やアナゴを取り扱うお店が軒を連ねていると近寄りがたくなります。下関でフグならぬ「ふく」を食べずに帰ったことも周囲の人々から驚かれ。これほど宮島に通っていながら牡蠣が食べられないとか致命的です。

宮島のみならず、広島県まで拡大しても同じことで、何なら日本全国海産物なので、もはや目の前真っ暗。ゆえにソフトクリームが至る所にあることに感激したところ、それらはすべて最近流行し始めた風習。昔はなかった、と地元のガイドさんに教わり、そうなんだ……と。すると、帰宅後、自宅付近にも大量にソフトクリームを売る店が。なんで今まで気が付かなかったんだろう。

お土産物屋さんで、とある戦国武将グッズを購入し、ついでに招き猫まで買って帰宅すると、なんとそれらも自宅付近の土産物店に同じものが……。そういえば、親切な店員さんが、「こういう物は、西洋のお客さんしか買っていかれませんよ」と仰っていたのを思い出し。かなり古い話になるけど、海外旅行に行った先(東アジア)でも「こういう物は西洋人しか買わないよ」と言われたことが。よほど西洋人しているんだと思ったけれど、さすがに海外の品は自宅付近にはなかった。仕事で外国人の買い物案内をしても、彼らは家電製品やら化粧品やらしか買わなかったので、あれらの人たち、宮島来たら何買うんだろう? ってちょっと思いました。

以来、表通り商店街は常に素通り。やがてこれが最後の宮島、ってなったら、その時は特大サイズのミニチュア大鳥居を買おうって思っていたら、厳島神社でも売っていて。どうせなら、その時は神社で買おう、と決めたので、やはり商店街はソフトクリームだけの人。なので、町家通りのどこか懐かしい道を常に通っています。

こんな方におすすめ

  • 郷愁溢れた昔ながらの風情ある通りを歩きたい
  • 表通り商店街を通るとクレジットカードの請求が怖いです(裏から行きましょう)

オススメ度


(オススメ度の基準についてはコチラをご覧くださいませ)

五郎イメージ画像
五郎

火立岩で見た牡蠣筏が忘れられない。また優しかったガイドさんにお目にかかってぶっ倒れるほど牡蠣喰いながら飲み明かしたい。

ミルイメージ画像
ミル

ガイドさんお元気にしてるかな。あの後、ミルたちが毎年来てるなんて知ったら驚いて倒れちゃうかも。でも、君は飲み明かせないからね。お酒は二十歳になってから。

鶴ちゃんイメージ画像
鶴ちゃん

お前たちって、本当に人に恵まれているな……。日ごろの行いは悪いのになぜなんだ?

次郎次郎
次郎

仲間に入れてもらいたきゃ、素直にそう言えばいいじゃないの。あいつら二人ともトロいから、はっきり言わないと永遠に通じないぜ。

腰少浦神社付近での記念写真
廿日市・宮島旅日記(含広島市内)

五郎とミル(サイトのキャラクター)が広島県内を観光した旅日記総合案内所(要するに目次ページです)。「みやじまえりゅしおん」(宮島観光日誌)、「はつかいち町歩き」(廿日市とたまに広島市内の観光日誌)内それぞれの記事へのリンクが貼ってあります。

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-みやじま・えりゅしおん