早いもので、気が付いたら今年もとっくに半分を過ぎていた。
このままだと連載が終わりそうにないのでしかたなく進めるよ。
(別に今年のうちに終わらないといけない理由もないんだけどね)。
看板の掲載が終わったら、何もかも解決しそうな気もするんだけど
(看板の文章より優れたものは書けっこないから)
終っていないので、同時進行だね。
敵を知り己を知れば……ってことで、主な登場人物・敵を紹介しとく。
(単にイラストを紹介するだけ)
これはもう、去年くらいからとっくに、お気に入りのイラストレーターさんが素敵な作品をしあげてくださっていた。
今に至るまで放置していたのは、ひとえにミルの失態です。
お詫びの上、正式に公開します。
毛利元就
言わずと知れた「敵の大将」。
どういうわけかこの人、あまり人気がないんだけど……。
(いわゆる、乙女に。活躍した年齢がじーさんだったこと、イケメン伝説がないこと、などが理由だと言われている。典拠無し)
歴史上の人物の中で、ミルがどうしても好きになれない人物筆頭です。
でも、とても尊敬している宮島のガイドさんと、この素晴らしいイラストの「せい」でちょっとだけ好感をもってしまった……。
「悪気はなかった」「戦争だから仕方ない」とか、情けなくもそんなことを考えてしまった。だけど、今回あらためて資料を読み直した結果、初心に戻って本心から言うよ。
「やはり大嫌い」です。
だって頭良すぎるんだもん(悪く言えば狡賢い)……。お願いだから五郎をイジメないで。
どれだけ愛され、尊敬される立派な人物であっても、ミルだけは絶対に、あなたを好きになることはできない。好きになることは許されないの……。
でもなぜか、とっても親近感がわくんだけど、なんで?
宮島に通い過ぎたからかな?
世の中、頭が良すぎる人って嫌われるんだよね。多分、そのせいで損しちゃってるところがあると思う。本当はとっても、優しくて懐の深い人だって、ミルにもちゃんとわかってるよ。
だけど、世界中の皆に馬鹿にされても、ミルだけは最後まで五郎の味方だから。
だから、あなたのことを嫌いなふりを続けるよ……。
ひとこと
敵の総大将、桶狭間の戦いなんかより先に、源義経の鵯越なんかより頭脳的に奇襲作戦を成功させた稀代の「謀」将(悪く言えば狡賢いお年寄り)
毛利隆元
本来ならばこの人が家を継ぐべき。というか、すでに、元就さんは半分隠居だったが。しかし、偉大過ぎるお父上に遠慮してなにやら自分に自信がないんだよね、この人。相当のお人好しと見た。
残された史料とやらが、どれだけ信用できるのか疑問だけども、父親が叛くべきか叛かぬべきかといつまでも悩んで決めかねている中、「絶対に叛くべきです」と最初から一貫していたのがこの人。
その理由が、舅(じつは養父)にあたる殿様、烏帽子親にあたる殿様を倒した悪者は成敗されて当然だ思想。
下二人の弟が優秀過ぎてあまりぱっとしないけれど、そういうところ、長男は損な役回りなんだよ。気の毒なことに、早々と亡くなってしまって、しかもその亡くなり方も謎めいていたため(他殺と疑われても不思議はないような。今なら絶対警察が来るはずだ)たいへんなことになった。
普通に長生きしていたら、おそらく名君として弟たちに負けないくらい有名になって、立派に国を治めていったと思われ、気の毒でならない。
ちなみに、死後、家督を継ぐことになったのは、この人のお子(輝元)で、元就氏の嫡孫にあたる。
ひとこと
吉川元春
息子を養子に入れ、その後その家を「乗っ取る」方法で、次男と三男をつかって、吉川小早川両家を手に入れ、「毛利両川」なんて呼ばれている。こういうやり方含めて、「すごい」「かしこい」「さすが」ってなるんだろうけど、嫌いな人からは「狡賢い」としか感じられず、さらに嫌いになる要因に。
さて、毛利家は何のかんので厳島に勝って、殿様の敵討ちとかいいながら、なんで本家まで潰すのかよ? という怪しげなやり方で防長の地を泥棒したが、何の因果か世の中は、織田なんたらとか、羽柴なんたらとかの時代に移り変わるところだった。元就氏の遺言(?)はけっして天下を狙うなってことだったから、そういう野心はなかったとしても、たぬきみたいなじーさんの時代になって、故郷の安芸国を追われてとなりの国に移されるとか、あんまりじゃないか。
ええと、なぜか武断派みたいなイメージが強いこの人だが、実際にはきちんと文武の人だった。
宮島で特に有名なのは、逃げるための時間稼ぎに敵が放った火により、厳島神社が被害を受けることを案じた逸話。
敵を追いかけるよりはまず消火活動だ! って。
もちろん、それだけの人じゃないけど……。
ひとこと
小早川隆景
次兄同様のやり方で、小早川家を乗っ取ってその当主となった。ところが、のちに豊臣なにがしの妻の甥という人物を養子におしつけられてしまった。気の毒な事である。
もはや何をした人かコメントを書く気にもならないが、兄同様、とても優秀。
なにゆえにか、妙なマニアの女性たちから圧倒的な人気があり、某ゲームのプレイアブルキャラになっている。いや、これだけ多くの有名人、それもどれも優秀な、がそろっている毛利家にあって、なにゆえ彼一人だけがこうまで人気があるのか分からない。
とはいえ、それは単に、ゲーム運営会社社員の依怙贔屓であった可能性もある。関心のない人にとっては、一生関わることもないであろうゲーム界隈を離れると、元就氏と三人のご子息はセットにして愛されているケースが多い(典拠不明)。
ひとこと
村上武吉
村上海賊の親玉。 ⇒ 戦国系(ゲーム)マニアはなんでもかんでも村上武吉だけですませるが、実際には来島、因島……といくつかに分れているから、彼一人覚えて満足しちゃダメ。
海賊ってきくと、なんでもパイレーツ・オブ・カリ×アンになっちゃうんだけど、何も海を行く船を襲って積み荷を奪うだけの連中ではない。最近は、海賊に関する啓蒙書も多数出ているので、どれでも気に入ったものを一冊読んでみたらいいかも。
海賊にとっての大切な「お仕事」は、通行料を取ることで、俺らの海を通るのならちゃんと金払え、ってことで大人しく払えば OK。でももしはらわなかったら……とたんにホンモノの(?)海賊に豹変して積み荷を奪われてしまうし、下手したら命がないかも……。
いっぽうで、きちんと礼儀を尽くして、払うべきものを払えば、かれらは水先案内人として、海行く人たちの安全を守ってくれた。
厳島の合戦の舞台は島だけれど、そこが島である以上、敵も味方も、そこへ至るには海を通る。だから、海賊ならぬ「水軍」の役割はたいへんに重要だった。その意味で、村上海賊(いや、水軍だし、村上だけじゃないし……だけど)はキーパーソンだね。
ひとこと
尾崎局
毛利隆元の妻。「名族の系譜」みたいな特集の歴史雑誌を眺めていたら、滅亡したと思っていたあの名族が、じつはこんなかたちで子孫を残していた云々、という記事が目次に載っていた。
電子書籍版のサンプルだったので、見たのは目次だけ。そこにこの人の名前もあった。
読んでいないので、内容はしらないけど言いたいことは分かる。
尾崎局が毛利隆元の奥さんになったから、大内家の血脈が続いて行ったと言いたいのだろう。
でもそれは間違っている。この女性は、内藤家から養女に入っただけのことで、血縁なんかない。
むろん、重臣の家系なので婚姻は繰り返しているであろうし、そもそも養父の母親が内藤家の出身でもある(もちろん、くだんの記事はプロのライターによって書かれたもののはずだから、言わんとしていることはたんに DNA の問題ではないはず。要するに、インチキだとご無礼申し上げているわけではありません)。
この人と、隆元さんとの関係は良好だったらしく、さらに舅である元就氏とも親しかったようで、書状のやり取りがあったことなどが記録として残されている。
そもそも、毛利家の人たちは皆、夫婦仲が良かったみたい。元就さんも三兄弟の生母である妙玖さんをとても深く愛しておられたようだし、元春さんもあまり器量よしではなかった奥様を大切にしたという。
負けた側から見ると、嫌な感じの一族なんだけど、じつはそろいもそろっていい人たちなんだよね。
ひとこと
何なんだ? この書き方は? 無礼ではないか。
ここはいちおう、「陶の」城なんだよ。毛利家にお仕えした君の意見は採用しません。
……。
(とはいうものの……。敢えて「大内」庭園とわけてサブディレクトリにしているくらいなので、ここは毛利家礼賛でも別にかまわないんだよね。そのうちここも、鶴ちゃんにリライトしてもらうつもりだよ)
※この記事は姉妹サイトで公開されていたものです。
元ドメイン公開日:2021年8月15日 2:10 PM