『弑逆の悪』表紙絵
第一章:発端
第二章:狂宴
第三章:花葬
第四章:本懐

 戦国時代、西国の大大名・大内義隆は男色趣味の度が過ぎた人物として有名。その寵臣・陶隆房はかつての己と同じく、義隆の寵愛を受ける少年・千寿と密かに思いを寄せ合っていた。幼い思い人は隆房に、「殺しちゃおうよ」という恐ろしい言葉を囁く。
 二人の逢瀬に邪魔である主の義隆を葬り去ろうというのだ。愛しい少年の頼みをきいてやりたいと思いつつ、弑逆の大罪を犯すことに躊躇う隆房。
 千寿は大切な隆房のため、己の命と引換えに、幼い稚児姿を美しく咲き誇る桜の木の下に永久に留め置くことを決意する。そして、年に一度、桜の花が満開の季節にだけ、愛しい人の前に姿を見せると、「あの男を殺して、己の仇を取って欲しい」という約定を果たすように言い残すのであった……。
 歴史に名高い「大寧寺の変」の発端がこんなものであったとは……しかし、史書に現れない歴史の裏側で、名もなき人が果たした役割というのはまた、我々にははかりがたいことでありまして。これはわたくしなりの解釈であり、勿論史実とは無関係であります。

※初出:ノベルデイズ、アシェラ様(ID: ashikabi)『電子文芸雑文貯蔵庫』現在削除済※

※千寿のみならず、かくなる作者も陶様と己が産み出した千寿という少年に全てを捧げました。生涯かけてこの二人を愛するつもりです。
あらゆる駄文に皆、この二人が出ています。でも、すべての帰結点はここなのだ、そう思います。推敲を重ねて、やがて完璧なものに昇華したら、私はその任務を終えて、この世から消えるでしょう。
その意味でこれは、永遠に終わらない物語です※

※素敵な表紙絵はロン様に描いて頂きました(アイキャッチ)※