イマドキやまぐち

野田神社&豊栄神社(山口市天花)

2024年1月11日

野田神社&豊栄神社・入口

山口県山口市天花の野田神社・豊栄神社とは?

豊栄神社は毛利元就公、野田神社は毛利敬親公をお祀りしている神社です。明治維新後、毛利家の功績を称えるために建立された神社なので、創建年代などの歴史は浅いですが、その格式と重要性は非常に高い神社です。

野田神社と豊栄神社は隣り合ってご鎮座なさっておられますが、まったく異なるそれぞれ独立した神社さまとです。しかし、隣り合って存在し、社号碑なども共通であることなどから、ふたつまとめて参詣することになります。ご無礼にあたるかもしれませんが、二社を一緒にご紹介します。

豊栄神社・基本情報

ご鎮座地 〒753-0091 山口市天花1丁目1−1
ご祭神 (主祭神) 毛利元就公
主な祭典 春祭(三月五日)、御正祭(七月十六日)、例祭(十月一日) 殿
社殿 本殿(神明造)、幣殿、釣屋、左右廻廊、拝殿、神饌所、祓所
主な建物 神門、手水舎、絵馬殿、鳥居、灯籠、社号標
社宝 御剣(明治天皇御奉納)、毛利元就公画像(国指定文化財)、毛利元就公自筆短册極書添
神紋 一文字三星紋、沢瀉
(参照:『山口県神社誌』)

豊栄神社・歴史

慶長九年(1604)、毛利輝元公が萩城に入城された際、御祖父・元就公の霊を付近の春日神社にお祀りしたのが起源です。宝暦十二年(1762)、城二郭にあった土地神社を改造し、元就公の御霊をお遷ししました。

明和七年(1770) 、朝廷より仰徳大明神の神号を、明治二年(1869)には豊栄の神号を賜りました。これは、明治維新に際して、毛利家が果たした功績を称えてのことです。

現在地に遷されたのは、明治四年(1871)のことで、明治十五年(1882)には、 別格官幣社となりました。

野田神社・基本情報

ご鎮座地 〒753-0091 山口市天花1丁目1−2
ご祭神 主祭神:毛利敬親公、配祀神:毛利元徳公
社殿 本殿(神明造)、幣殿、釣屋、拝殿、左右廻廊、神饌所、祓所、仮殿
主な建物 鳥居、社務所、茶室、手水舎、能楽堂、神庫、勤番所、神門
主な祭典 例祭(三月五日)、春祭(四月二十七日)、御正祭(五月十七日・敬親公)、秋祭(十一月十日)、御正祭(十二月二十三日元徳公)
社宝 毛利敬親公自筆短冊、毛利敬親公所用甲冑、衛府太刀(国指定文化財)、剣(備前長船作)、雪舟龍之面、能面・狂言面・能装束多数
(参照:『山口県神社誌』)

野田神社・歴史

明治維新で活躍したご当主さま・毛利敬親公をお祀りした神社です。敬親公は毛利家十三代御当主。長州藩の政庁は長らく萩にありましたが、敬親公の代に山口に移されました。

敬親公は明治四年に山口で亡くなりました。明治六年(1873)、人々の懇願により、敬親公の霊は豊栄神社境内別殿にお祀りされました。この時は、敬親公の諡号から「忠正神社」と呼ばれていました。

明治九年(1876)、野田神社と名を改め、県社となります。現在地に移築されたのは、明治十九年(1886)のことです。大正四年(1915)、野田神社は別格官幣社となりました。

敬親公の養子・元徳公は、幕末維新で敬親公を補佐し、明治二十九年に亡くなりました。明治三十一年(1898)、野田神社に合祀されます。大正五年(1916)、摂社・芳宜園神社を建立し、元徳公を分祀しましたが、元徳公四十年式年にあたる昭和十一年(1936)に、朝廷から勲功褒賞があり、野田神社に配祀されました。

昭和二十七年(1952)、神社本庁別表神社となり現在に至ります。

野田神社&豊栄神社・みどころ

有名な建築物としては、野田神社の能楽堂があります。明治維新に功績があった毛利敬親公、その毛利家の偉大な先祖・毛利元就公をお祀りしている神社であるだけに、敷地が広大で、社殿も大きく、とにかく荘厳です。

建造物のほかに、神社所蔵物(社宝)に数多くの国指定文化財がございます。

社号碑

野田神社&豊栄神社・入口

このように、二社の社号碑は一つです。なので、まとめてご紹介してもいいのかなぁ、と思った次第です。

豊栄神社・鳥居

豊栄神社・鳥居

豊栄神社の鳥居です。

豊栄神社・拝殿

豊栄神社・拝殿

豊栄神社の拝殿は、じつに広大です。ちなみに、裏側には行けませんでした。常のように「脇からも拝見します」が無理。

豊栄神社・「百万一心」

毛利家に関連するところには必ず存在する「百万一心」です。

野田神社・能楽堂

野田神社・能楽堂

明治維新七〇年記念事業として、昭和十一年、藩主の末裔・毛利元昭氏によって野田神社の境内に建立されました。説明看板によれば、「全国的にみても能楽堂の建築は数が少なく、とりわけ西日本に関してみれば十棟を超えないものと思われ、その中でも当能楽堂は、規模、質の点で一流の能楽堂である」ということです。山口市指定有形文化財です。平成三年(1991)、移設修復されました。

野田神社・鳥居

野田神社・鳥居

豊栄神社と野田神社それぞれに、鳥居がありまして、社号碑もきちんとあります。しかし、境内に入ると両社は渾然一体化してしまい、何が何なのかわかりませんでした。

賽銭箱

野田神社&豊栄神社・賽銭箱

この真新しい賽銭箱は、恐らく豊栄神社のものです。上の写真をご覧になればわかるとおり、数年前にはなかったような?

野田神社&豊栄神社(山口市天花)の所在地・行き方について

ご鎮座地 & MAP

豊栄神社ご鎮座地 〒753-0091 山口市天花1丁目1−1
野田神社ご鎮座地 〒753-0091 山口市天花1丁目1−2

アクセス

山口駅から町歩きしながら来ました。

参考文献:『山口県神社誌』、説明看板

野田神社 & 豊栄神社(山口市天花)について:まとめ

野田神社 & 豊栄神社(山口市天花)について:まとめ

  1. 豊栄神社は毛利元就を祀る神社
  2. 野田神社は毛利敬親を祀る神社
  3. 野田神社には敬親の養子・元徳も合祀された
  4. 野田神社の能楽堂が有名

野田神社と豊榮神社とは隣あって鎮座しており、住所も一番違い。敷地も広大で、どこからどこまでがどちらなのか、わからなくなってしまうことがあります。入口の神社の名前が書いてある石碑も二つの神社一緒だし、地図には「野田神社豊榮神社大鳥居」と書いてあって渾然一体となっている部分もあります。現在お参りしているのが、どちらの神社なのか、迷子にならないようにお気を付けください。

なお、二つの神社さまはまったく別の神社さまとして独立しております。この点、とても重要なので、混同しないようお願いいたします。このページで二つまとめてご紹介しているのは、拝観時間が足りなかったので、ボリュームがないゆえにの暫定的な措置です。

野田神社 & 豊栄神社は大内文化とは無関係です。大内氏ゆかりの地について書いているため、滅亡後の建築物等はメインテーマではありません。しかし、県内には滅亡後の建築物、著名人についても重要なものが溢れております。というようなことで、普通に案内されてしまいますね。

こんな方におすすめ

  • 毛利元就・毛利敬親を信仰している人
  • 明治維新に関心がある人

オススメ度


(オススメ度の基準についてはコチラをご覧くださいませ)

鶴千代アイコン
鶴千代

元就公を崇敬する人はもちろん、山口に来たら両神社へのご訪問を怠らないように。

五郎不機嫌イメージ画像
五郎

(毛利元就とかいう人物、俺と何の関係があんの? しかし、デカい神社だ……。)

ミル涙イメージ画像
ミル

(君と毛利元就の関係は永遠に知らなくていいからね)

20231103 追記:御朱印は古熊神社さまへ

毛利元就公を敬愛して止まない、お世話になっている郷土史の先生(広島在住)に元就公の神社のお守などをお贈りしたら喜んでくださるかも? と思い、社務所(というかお守とか売っているところ。社務所でいいの?)を探すと、なんと「無人」。そして、「御朱印が必要な方は古熊神社でお渡しします」みたいな貼り紙が……。

古熊神社さまはお気に入りの神社さまのひとつだし、何せ「天神様」。受験願書が飛び交う中、天神様を見かけたら拝み倒しだ! と思っているところなので、今回の訪山でご参詣できなかったのは辛かった。しかし、行けなかったことには理由があった。「遠い」から。今ちょっと、頭の中が真っ白になっておりますが、豊栄神社さまも山口駅からは歩けない方は歩けない。でも貼り紙の地図には、徒歩で行くような矢印がついていたから、ここまで来ていたら近いということ!? いや、歩けないでしょ? 弥山ロープーウエイ使わないで登る人だけど、でも古熊神社さま山口駅から歩けないですよね!?

そんなことより、元就公の神社が「無人」というのが信じられなかった……。たまたまだったのか、ずーーっとなのかわからないけど。でもこれだけ大きくて立派な神社さまが無人って、どう考えても信じられない。御朱印は要らないですけど、どなたもおいでにならないと、敷地が広大なだけに、どことなく寒風が吹き荒ぶ感じがして怖かった……。御朱印集めている方は、ここでは受け取れませんので、古熊神社さまのご参詣と組み合わせるような日程を組んでお回りください。

  • この記事を書いた人
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ミル@周防山口館

大内氏を愛してやまないミルが、ゆかりの地と当主さまたちの魅力をお届けします

【取得資格】
全国通訳案内士、旅行業務取扱管理者
ともに観光庁が認定する国家試験で以下を証明
1.日本の文化、歴史について外国からのお客さまにご案内できる基礎知識と語学力
2.旅行業を営むのに必要な法律、約款、観光地理の知識や実務能力

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