畠山政長畠山政長

別れゆく旅の空にも月影は同じながめと思ひいでなむ

畠山澪畠山澪

ん? 夢か……なんかどっかで見たことのあるイイ男だった気が……いや、鶴よりイイ男なんてこの世にいるはずが……兄上も、鶴も、いったいどこに行ったのよ?

千寿千寿

自分の父親が詠んだ歌すらも分からないの?

畠山澪畠山澪

え?

千寿千寿

先々代の歌集の編纂に付き合わされて、僕は古今東西の歌まで諳んじるに至ったの……自分でも哀れをもよおすよ。『歌が詠めない』五郎様は家中での地位もダダ下がりでたいへんだし、先々代はイケメンなんか興味ないから、もう何もかも無理なんだよ(ブツブツ)

畠山澪畠山澪

な、なに今の……私だって歌なんか詠めないけど。たしか、以前兄上が読んでいたインチキな本では父上のことを武勇もだめなうえに、風流も皆無だと。ちゃんと歌も詠めたんじゃないの……

畠山政長畠山政長

……

畠山澪畠山澪

あれ? さっきのガキンチョ、何か本を置いて行ったけど? ん? 
うきことは別れのみかは面影を月にみそめし有明の海
……さっぱり意味わからんけど、なんかロマンチック。こういうのは、鶴みたいな……あ、鶴はだめだ……歌が詠めない。でも、あれ、畠山義豊みたいなガサツな男には向かないね、こういうの。あたしはさ、歌なんぞ詠めなくてもOKなんだけど、でもああいう男はちょっとなぁ……

畠山義豊畠山義豊

(……)

畠山義就畠山義就

我が息子ながら哀れなもんだなぁ……さて、大内介のところに邪魔するかな

畠山政長畠山政長

一人娘ゆえ甘やかしすぎたのだな……風雅もわからぬあのような化け物に……男女の区別もつかぬではないか……うわっ

千寿千寿

ああ、すみません。(うわ、いい男……♡ またしても五郎様霞むね(-_-;))雨漏り館に本を忘れてしまったよ、まったく(ブツブツ)

畠山政長畠山政長

雨漏り館……苦労しておるのだな……。しかし、於児丸の姿は見えぬなぁ……。まあ、会ったところでわしとは分からぬであろうが……。戻るとするか。しかし、どうやって京に帰ればよいのかの?