始まりは紀伊国

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ウエブマスターツールさんに調べてもらったところ、「HTMLが長すぎます」って判定が出たよ。
恥ずかしい過去記事をすべてひとまとめにしたんだけど、長くなりすぎたんだね。
仕方がないので、元々の構造に直した。でもそうなると、タイトルをきちんと考えないといけなくて困るんだけど……。
ところで、このパートはかつて、投稿サイトに連載されていた、と話したよね?
その時のサブタイトルが「秋風清々裏話」だったような……。人間関係その他は、本篇を読んでいない人には分かりにくいね。

紀伊国・広

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ふふふ。俺のお陰であの「駄作」がなぜか売れていて……。このモテ過ぎるイケメンなんとかしてくれないかな
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鶴ーー
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げっ、またか……俺には「女難」の相があると……三十六計逃げるにしかず……
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くーー!! 逃げられた。あやつめ、つぎに会ったら生かしてはおかぬからな
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どうした? また何か問題を起こしたのではあるまいな?
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あ、兄上、鶴の奴、私を見て逃げたの。許せない……。兄上こそどうしたの? いつものことだけど、また浮かぬ顔をして……
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いや、その……『秋風清々』も次回で最終話だそうなのだ。どうやら、我らは完全な「脇役」であったようだ……。あのようなインチキな捏造話に書き込まれて、迷惑をしておるのに、それも、こんな中途半端で投げ出されたら、我らは一体何のために登場したのか分らぬではないか……
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えーー!? 次回で最終話? ってことは……私と鶴の結婚シーンはないの? そんな……
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それだけではないぞ。我らが父上の仇を討ち、お家を再興する話もない、ということだ
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そ……そんな……許せない……作者を探し出してぶっ殺す!!
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これ、女子の身でそのような物騒なことを申すな。それに……「ぶっ殺し」たいのは、駄文物書きなどではなく、細川政元であろうが
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両方ともぶっ殺す!!
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騒々しいの……何の騒ぎだ?
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なに、あんた?
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無礼な。余の顔を見忘れたか
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つーか、見たこともないんだけど?
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ああ、これは……義材様……妹がとんだご無礼を……
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ふーんだ
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何!? 妹? これは女子であったのか……
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無礼なのはあんたのほうじゃない。「女子であったのか」ってどういう意味さ?
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まあ、そう怒るでない。それより、尚順、未だに余が京へ戻ることが叶わぬのはなぜなのだ? いい加減、越中の片田舎は飽きてしもうたのだが……
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義材様にはご苦労をおかけ致しまして、本当に申し訳なく思っております。しかしながら、どうやら、話がここで終わってしまうようでして……その……
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な、何!? 終わってしまう、と言ったか? いや、そんなはずはないぞ。「登場人物」欄にもきちんと余が復職すると書いてあったはず……。ここで終わるなどという中途半端なことはないであろう
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駄文物書きがネタ切れて失踪したんだから仕方ないじゃん
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そうそう、主役だった俺が去るのとともに、この話は終わるのだ
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あ、鶴、待ってーー
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むむ、今の男は確か……
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取り込み中の所すまぬが……
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ぬ、おぬしのその顔、思い出したくもないわ……
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おのれ、「大悪人」め。父上の仇……
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まあ、落ち着け。ここは暫し「停戦」と行こうではないか。どうやら、大内の馬鹿者どもばかりがデカい顔をして、我ら将軍家や管領家がないがしろにされておるようなのだ。この問題を解決しないことには先へ進めぬ。今は一旦手を結び、あのような成り上がり者がのさばる現状をなんとか打開したい。我らの件はその後でゆっくり考えようではないか
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誰がお前の話など聞くものか。何を考えておるのか知らぬが、命が惜しくば今すぐここを立ち去れ。さもないと……
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(立ち去らせなくとも、その場でバッサリやれば良いのに、『お人好し』というのは文字通りただの馬鹿者なのだな)えーー、ごほん。先ずはだな、おぬしにこれを渡そう
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何なのだ? これは……『室町幕府全将軍・管領列伝』……
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見ての通りだ。何やら、陶の小倅の甥とその寵童とで、『馬鹿でも分る大内家の歴史』だとかいう企画を起ち上げたのだが、エタっておるらしい。そこでだ、あやつらのアホらしい企画より先に、我らのほうを成功させる。さすれば、我らの人気はうなぎ登り。もう「大悪人」だの「脇役」だのとは言われなくてすむだろう。何しろ、我らは勿体なくも「将軍家」の一門であるのだからな。
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なるほど。そのほう、話はまともではないか。その「企画」とやら、余が認めよう。尚順、その、「成り上がり者」どもに先んじて、その……これ、何と申したかな?
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「馬鹿でも分る」足利一門の歴史とでも……では、それがしは政務多忙ゆえ、後のことはお任せしますぞ。ふふふ
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ちょっ……待っ……
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聞こえなかったのか? そなたはこれより、我が一門の歴史をまとめ、下々の者にも分るように説明するのだ。うむ、なかなかに意義深いことではないか。知っておるであろうが、一門のなかで、最も格下で、力がないのがそなたらの一族であるぞ
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な、何ですと!?
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ここだけの話、余もつい最近この書物を読んで知ったのだ……そなたに預け置く。それではな
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お待ちください……いなくなった……逃げるのだけは得意なお方だ……。で、これは……『足利一門守護発展史の研究』。何々……ええ、足利一門の中で格が上であった一族は、南北朝、観応の擾乱などで没落し……斯波、細川両氏のみが辛うじて残った……そこに畠山氏も加えて三管領となるが、この畠山氏の祖先は……え? 家督を継ぐに相応しくないほど身分卑しい女から産まれた子の子孫……? 何だこれは、我らを馬鹿にしているだけではないのか……ここは意地でも名誉を挽回せねば……

というようなわけで、尚順の元には暇過ぎる将軍・義材から読み終えた大量の書物が届けられ、続いて、忙し過ぎて読む暇もない細川政元からも大量の書物が送りつけられてきた……。さて、一体、彼にこれらを片付ける能力はあるのだろうか……。一抹の不安が残る。

リニューアル前公開日: 2019年12月18日 23:56